生徒会長

 オルグイユ学園生徒会会長、アンバー・ガラッシア。

 ガラッシア公爵家の長女であり、学園に入学してからの四年間で一度もすべてのテストにおいて主席の座を譲り渡したことのない天才である。

 

 ちなみに学園は六年制であり、十二歳で入学し、十八歳で卒業する。

 行き遅れていない基本的な学生は学園の入学中に結婚して子供を設け、妊娠出産育児の授業を受けた段階で赤ん坊を抱いて実家の方へと帰っていくことになる。

 制服を着て学園を闊歩する妊婦に幸せそうに赤ん坊を抱く夫婦が見れるのが『イスキャン』なのだ。


 話が脱線してしまったが、そんなことよりも大事なのはアンバーである。

 彼女は人気ランキングでも常に上位で、僕も好きなキャラの一人だ。


「……」


 その人気の秘訣は色々とあるが、やっぱり一番は見た目だろう。

 今、僕は生徒会室に案内してくれているアンバーの後ろを歩いているのだが、後ろ姿からして美しい。

 髪の一部を三つ編みした腰まで伸びる水色とピンク色の二色のストレートヘアに後ろからでもわかる圧倒的な肉付きの良さ。

 巨大な尻がもう素晴らしい感じに揺れている。

 

 前から見ればそれはもうロケットのように突き出るおっぱいと神が作りたもうとかと思うほどの綺麗なご尊顔を拝見できるだろう。

 

 ついでに言うとアンバーは非常に身長が高い。

 どこかのタッパとケツがデカい女がタイプである男も満足してくそうな女がアンバーだ。


「あぁ、そういえばだけど貴方は生徒会について知っているかしら?」


「エスカルチャ家に知らないことがあるとお思いで?」


「そうだったわよね……ごめんなさい」


「いや、知らないので教えてください」


 ゲームで幾度も見た説明なので知っているが、やはりリアルでも生徒会長からの生徒会説明は欲しい」


「えぇ?エスカルチャ家にも知らないことがあるの?」


「普通に考えて、我が家は基本的に学園などのような場所とは一歩引くのが通例ですし、興味ないところまでは調べませんよ。あくまで我が家は情勢の把握が主なので」


「確かにそうよね。よくよく考えてみればエスカルチャ家の当主だって一人ですものね。限界もあって当然ね」


「えぇ、精々知っているのは生徒会長が自分は身長の高い女で可愛いものが似合うことはないとか言いながらたまに服屋でフリフリの服を自分の体に当てて満面の笑みを浮かべていたり、可愛らしいお部屋の中で人形を抱いて毎晩寝ているくらいです」


「待って!?どういうことなの!?」

 

 さらりと告げる僕の言葉に少し前を歩いていた生徒会長が僕の方へと寄って胸倉を掴んでそのまま自分の表情のすぐ前にまで僕を持ってくる。

 おっと、顔が近い……吐息の熱と匂いが僕の表情にダイレクトアタック……ふへぇぇぇ、口臭も何故かフローレンスな香りをしておられる。


「まぁまぁ、我が家なので」


「それで済むと!?乙女のプライバシーは!?」


 そんなものはない!

 お風呂だって覗けるのが我が家の魔法である!……流石にそんなことしないし、さっきの人形の話もあくまで出典はゲームで、実際に見ているわけじゃないけど。

 ちゃんとプライバシーは守っている。


「乙女のプライバシー内で密約が交わされているかもしれないじゃないか。それと、否定はしないのであるな。でまかせであることもあろうに……我が家はあくまで何を買ったかまでしか見ていないかもしれないが?」


「はっ!う、うぅん!わ、私はそんなことしていない!規律ある生徒会の長としてだなぁ?」


「我が家と諜報戦か?そんなことより僕は生徒会の活動内容について聞きたいが」


「も、もうそんな気分じゃないよぉ」


「では、どうぞ?」

 

 情けない表情を見せるアンバーに説明を促し、それを聞きながら僕は生徒会室の方に向かっていくのだった。

 ちなみに生徒会の活動内容としては生徒のみんなに良い生活を与えられるようにしましょうって、感じだ。

 日々の当主としての義務を極端に矮小化させたようなイメージ。

 

 

 

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