学園生活
最初の授業に近衛騎士団の副団長と戦わされるというアクシデントがありつつも、それからというもの、僕は何の問題もなく学園生活を送れている。
「……授業について行けない!」
だが、そんな僕とは対照的にルスは大変そうだった。
「申し訳ないけど、実力主義と言いながら武力でしか判断しないのは失敗だよな。どう思う?アルベルト」
そんなルスへと声をかけたのは僕ではなく、侯爵家の一つ。
フォーエンス侯爵家の次男であるダスク・フォーエンスである。
「……それで私の方に話を振ってくるって皮肉だよね?」
そして、そのダスクの言葉に答えるのはこの国の第二王子であるアルベルト・アテネスである。
「まぁ、実力も確かに大事ではあるが、それはそれとしてその他を見ないのは致命的な欠陥であるよな。特に我が家なんかは特にそうだ。諜報の分野をちゃんと評価してほしい」
ダスクの言葉に三人の会話を聞いていた僕も追従する。
「いや、君から文句を言われる筋合いはないよ?ダグラスを相手に戦えるのなんて君くらいだ」
「お前は例外だ」
「何もかも出来るお前が俺の味方されてもムカつくだけだ」
だがしかし、そんな僕の言葉は総スカンされてしまう。
「辛辣だな……だが、それはそれとして話を戻すが、ダスクの言う言葉も最もではあるが、そもそもとして上級貴族でもないのに一番上のクラスにいるルスがイレギュラーなだけである。学術的や研究に特化している者たちが戦闘音痴でも拾い上げる制度はあるし、ただ単にルスがおかしいだけだ。わざわざ一人のためにすべてを変えるのも面倒だろう……書類仕事のことを思うだけで頭が痛くなってくる」
「確かに、それもそうだな」
「……書類仕事は面倒だからねぇ」
「くっそぉ、もう少し俺たち下級貴族にも優しくなってくれよ!はぁー、仕方ないのか。普通に勉強を頑張るとしよう」
この世界だと上下関係、貴族の権力関係は絶対である。
わざわざ下級貴族のために制度を変えようと動くものだといないだろう。
「まぁ、それが良い。うちのクラスは講師陣もレベルが高いからな。授業のレベルは高いかもしれないが、それでも完全についていけないほどではない。僕たちもサポートするから頑張ることだな」
「ありがたいぃ!」
僕の言葉を受けてルスが深々を頭を下げる。
既に学園が始まってから一か月。
学園生活を送る中で新しく交友を抱いたダスクとアルベルト。
そして、入学前から出会っているゲームの主人公であるルスの四人が基本的に学園生活を送る上でのいつメンと共に僕は平穏な学園生活を送ることが出来ていた。
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