第64話 捜索隊結成
「今のままではだめです。必要なものを揃えましょう」
「なんだそれは」
いらだち気味に
「乾いたタオルと温かい衣類、カイロ、寝袋、出来ればツエルト、カロリーと水分です。空さんを発見した時に避難できる場所があればそこで身体を乾かし着替えさせて温めカロリーと水分を補給できます。避難場所が無ければツエルトでやり過ごします」
「そんなの揃える時間はないだろう。一刻の猶予も許さないんじゃなかったのか」
「その通りです。なので今から装備を整えるのはここの半数の人、2人に限定します。装備しない人はカロリーと水分だけ携行し先行して捜索を開始。空さんを発見し次第連絡を。そこから近くに避難できる場所があればそこに装備を持ったものが向かい合流し空さんに処置を施します。そうでなければ空さんを連れて避難できる場所へ向かいます」
ムネさんが不思議そうに訊く。
「なんていうか、その、
「ええ、高校大学とワンダーフォーゲル部に所属していました。僕自身大学生の時に低体温症に
「そうか、どうりで手際がいいわけだ。じゃあその装備を持つ者の一人は
「はい、わかりました。僕ならツエルトも持っています」
「もう一人は誰がいいと思う」
「それは……」
四人のメンバーを見回す。ムネさん、ゴウさん、
「
「よし、お前らは本館に行って装備を整えてこい。その間俺たちは先行して捜索を開始する。おい
僕は泉を思い出し嫌な気分になった。もうこの一件は思い出したくない。
「ここの西の木戸から出て西に向かうと小さな湿地があります。俺とあいつのお気に入りの場所です」
「北に岩手山がよく見える丘があります。そこも空さんのお気に入りでよくスケッチをしていました。そのそばの製材所跡地も」
僕は内心の動揺や焦りや
「わかった、俺が泉、ゴウが丘、
ムネさんがそう言うと、ムネさんとゴウさんと
【次回】
第65話 装備を整える2人と乾
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