第4話 装蹄(そうてい)
「やっとシエロ連れてこれたねえ。随分派手に暴れてたけど。で、その人誰?」
もう60歳をとうに過ぎている革製の
「いや、なんでかわかんねんだが、こいつがいねえとシエロが暴れて仕方ねえんだ」
ムネさんが困惑した顔で
「へえ、そんなことってあるもんかねえ。どおれ、じゃみしてもらおうか」
彼女は無表情のままシエロの
「……熱そう」
「馬の
「……」
僕の言葉に無表情な中にも感心したように小さくうなずく女性。
「
「だからこうして丈夫な靴を履かせる必要があるっす」
ムネさんが腕組みをして野太い声で言うと原沢が不機嫌そうな声でその後に続く。これにも彼女は小さくうなずいた。
比嘉さんが
「こうして一頭一頭の
「……」
「つーかそんなことも知らないでよくここにきたっすね」
「……」
この
「はい一丁上がりっと。こいつは
「相変わらず手際がいいなあ」
ムネさんが感心して言うと、比嘉さんは小さく笑って謙遜する。
「いやいや私なんかまだまだ」
こうしてシエロの
「はいおしまい。最後ちょっと気になるとこあったから、薬塗っといたよ」
「助かる。いつもすまない」
「なあに、これが仕事だからねえ」
【次回】
第5話 行き場のない彼女
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