第5話暗躍する腹黒いアメリカ。
空母『鳳翔』を建造し空母『赤城&加賀』という3万6~8千トンの戦艦クラスの大型空母を建造しつつある日本。
現時点ではアメリカ、イギリスの二大海軍大国に続く第三位を帝政ロシアが走り、第二集団のトップに日本が居ると
いう感じだろうか、、、
しかし、近代化に乗り出してからわずかな年月で、この急成長。
日本に刺激を受けてフランスやイタリア
も1万トンクラスの空母を建造中らしい。
メリットに気がついたのだろうか?
基本的に沿岸海軍に近い両国だが
植民地もあるからなぁ。
航空機による偵察ができるのはメリットがあるよね。
だが、日本でも空母を建造する事に対する反発は大きい。
金剛級を2隻、長門級を2隻の4隻しか
戦艦がない日本で待望の赤城級と加賀級
の建造が始まって戦艦好きはワクワクしていたのに軍縮条約の横槍で補助戦力の空母にせざるを得なかったんだから
無理もない。
赤城と加賀の大きさや排水量を見ればわかるが、両艦は全長を延長後の長門級の
拡大版って感じだもんね。
戦艦の加賀と巡洋戦艦の赤城を建造して
現時点で建造できる最良の戦艦を作ろうとしてたのにダメになったんだからな、、、
ちなみに両艦とも大きさは同じくらいだが、防御力は長門より、やや上で速力が上なのが赤城。
速力は28~29ノットを維持しつつ
長門の上の防御力を目指した防御強化型なのが加賀である。
予算に余裕はあるのだし、建造したい理由はよくわかる。
国家予算はイタリアよりずっと上なのだし。
これ以上建艦競走しない時代を作るとアメリカは言っているが自分勝手な考えだ。
今のアメリカの戦艦は、
35.6cm砲を8から12門搭載して
速力は20ノットくらいで防御重視型
という特徴がある。
いや、イギリスは1インチ上の38.1cm砲を搭載して、23ノット以上の戦艦ばかりでバランスがいいのだから、
同じくらいの大砲を搭載すればいいのにと思うが、古いニューヨーク級ですら
10門搭載だし、僅かな差だから充分戦える。戦闘力に差は無いと思っていたのだろう。
だが、41cm砲を八門搭載した長門級が
出現するとパラダイムシフトが起きてしまう。
イギリスは15インチで1インチ差なので僅かな差だが、アメリカ艦隊の14インチ砲と長門級の16インチ砲の2インチの差は大きいと感じてしまう人間も出てくるのだ。
そして日本は拡大長門級の巡洋戦艦の
試作品として全長260mの赤城級。
全長250mの戦艦の試作品として加賀級の建造を始める。
軍艦は普通、二番艦を建造してペアを組ませる。
金剛級が2隻だし、長門級も2隻だし。
赤城級が2隻建造されて金剛級と高速戦艦同士で艦隊を組まれ、
加賀級が2隻建造されて長門と戦艦同士で艦隊を組まれると日本の戦艦戦力は
倍増以上の効果を発揮するかもしれないとアメリカは危惧したのだ。
それに腹黒いイギリスが日本と仲良くし出したら危険である。
アメリカは日本を疑い始めたのだった。
被害妄想と言ってもいいのだが、
たとえば、ニューヨーク級の全長は174mで基準排水量は27000トン。
長門よりずっと小さいし、排水量の差も大きい。
同じ戦艦でも1階級低いと言えなくもないし、撃たれた場合耐えられるのかと疑念を抱いてもおかしくない。
もし、日本が41cm砲を搭載する戦艦を
多く建造し始めたらと思うと、
危険だと思い始めたのだった。
日本側から見ると少ない戦力でアメリカの上を行く絶好のチャンスではあるが、
アメリカから見れば大ピンチではある。
拡大長門級の赤城と加賀の建造計画を潰されて空母に建造する羽目になって
不満に感じる帝国海軍。
アメリカはニューヨークからテネシー級までの35.6cm砲搭載戦艦が11隻。
コロラド級が3隻で14隻も戦艦を保有しているのに日本は(この世界では)
金剛級2隻、長門級2隻であり、
10隻も差があるのだから不満に思うのも当然である。(しかも国家予算的に余裕があるのにストップする羽目になってる。
アメリカはアメリカで、日本には金剛の前に建造した旧式戦艦があるから、
その戦艦も数に入れろと言うのだ。
一方のアメリカはコロラド級は14インチ防御だし、41cm砲搭載の長門のせいで時代遅れの戦艦にされたという恨みがある。
アメリカの戦艦が防御力が高いといっても、アメリカ側は2インチ上の砲弾を相手にどれだけ耐えられるかと考えてしまうのだろう。
赤城と加賀の戦艦の建造を妨害したのは
危険だと感じざるを得ないからだ。
それに260mもの全長の大型艦の赤城の建造も危険視するのだった。
そうやって経験を積まれて長門級戦艦以上の防御力を持たれた巡洋戦艦を建造されたら、まさに脅威である。
もちろん加賀も脅威だが。
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