第3話 マイク アンドリュー ナッシュの死を悼む

マイク アンドリュー ナッシュは3DCGのキャラクターアーティストである。代表作はゲーム、「ホライゾン ゼロ ダウン」のキャラクターデザイン。機械の動物たちと闘うゲームだ。


彼はSF系の機械系モデラーであり、エクソスーツやアーマーを着た兵士などを変態的に細かい精度で作り上げることで有名な3Dアーティストであった。しかもその制作プロセスというのが常軌を逸していて、Zbrushで全て作ってしまってからそれをポリゴンで作り直すというもの。普通はテクスチャで表現するような細かいネジ穴や筋彫りまでポリゴンで作ってしまうのだ。もちろんデザインも自分でやる。


その彼が、2021年にこの世を去った。若干36歳だった。自殺、または精神安定剤や血圧の薬のオーバードースが原因と囁かれている。


私はネット上で、何年か彼の作ったものを拝見してきた。長らく謎の人だった。この人は明らかに素人ではない。でもどこかの会社に属していたら、とてもこんな細かさでは個人作品を作れない。フリーで仕事を単発で受けるとしたら、かなり精度を落としたり、制作方法を見直さなきゃいけないんじゃないか?と。


凄い才能があるのに、CG制作で口に糊するには難しい人という印象だったのだ。そしてそういう状態でいるのは本人的にも相当な葛藤があったに違いない。自殺が噂されるのは皆こういう印象があったからではないか。


ゲームやcgの製作者は真面目な人ほど短命である。それにしても36歳は若すぎる。これからだったのにと残念でならない。

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