第10話 楓 石鹸
せっかく作った石鹸も、金持ちっぽい少年に売れたきりだった。家族には好評だが500銭は高いらしい。ロウソクにすれば良かったか。
6歳の弟に玩具を探すことにする。小石、ドングリ、木の棒。原始的なものしかない。そういえば捨てるしかない小鼠の皮、あれでボールでも作るか。
中に雑草を詰めた野球サイズのボールを作って、弟とキャッチボールを試してみる。皮に穴を開けて紐で縛ったがすぐに解ける。お母さんが少し手直ししてくれた。文太、お前のじゃない!
先日の少年がまた来た。石鹸を買ってくれるらしい。え、10個?残っているのはあと4個です。お買い上げありがとー!
これからも買ってくれそうだし廃油は全部石鹸にすることにする。あ、宣伝してくれと言い忘れた。
素揚げばかり作ってきたが、そろそろ油を使った料理を増やそう。天ぷら、は卵がないね。春巻き、唐揚げ、いや、油が沢山あるわけではないから炒めもの?
舞い上がる馬(仮題) 吉備響 @remotetraveller
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