第6話 楓 新作
お父さんが戻り、普通の営業に戻ったけれど、肉まんも要望が多いので昼のあと夜までの間売ることにした。と言っても最初の仕込みを終わらせるとあとはお父さんとお母さんだけで十分らしいので私は隣のガキを連れて町の外に出た。
「それで、楓、どこ行くの?」
「私、油が欲しい。」
「それで?」
「菜種はまだだけど、今の時期なら荏胡麻は取れるはず。」
「エゴマ?」
「これ。」
「紫蘇?葉っぱが食べられるのはもう少しあとじゃない?」
文太のくせに賢そうなこと言い出した。
「よく見ろ、縁は丸みがあるし、匂いが違う。」
はっはっは、私に指摘しようなど10年早い。
「で、これどうするの?」
「たくさん集めて干して絞る。」
「ふーん」
「まぁまずは試してみよう。」
油ができたら素揚げだな。たくさんあるのは···蓮根か。領地の特産品らしいからね。
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