中二病な俺が魔法陣を描く。え! 本当に呼べちゃった!?

夕日ゆうや

退屈な世界が、少し色づく瞬間。

「ククク。名月より出でし者よ。よく来た」

「さすがね。クラウン・オブ・ジ・エンド」

「お主も我によくついてきた。フェアリー・デス・カースト」

 格好いい言葉を並べ立てれば、何かが変わると信じていた。

 誰かが泣いているこの世界で、俺は世界を変えたいと望んだ。

 魔法陣を描き、両手を当てて、詠唱を開始する。

「黒き漆黒の闇よ。目覚め給え。我が名に命ずる。全ての力を我に授けよ」

 ピカッとLEDライトが魔法陣の周りで光る。

 次の瞬間、魔法陣から紫紺の光を漏らす。

 光の奔流が視界いっぱいに広がっていく。

 その明滅する光に俺も、フェアリーも目を細める。

 光が収まったとき、そこには一匹のオオカミが残っていた。

「え。え! 何コレ!?」

 俺は素で驚いてしまう。

「落ち着いて。クラウン。これは使い魔よ」

「そ、そうか。我にもついに使い魔がきたのか!」

 よく見るとオオカミというよりもイヌに見えてきたぞ、うん。

「こいつにはフェンリルと名付けよう」

 俺は気分が上がる名をつける。

「そうね。いいと思うわ。クラウン」


 これから楽しい時間が増えそうだ。

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中二病な俺が魔法陣を描く。え! 本当に呼べちゃった!? 夕日ゆうや @PT03wing

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