第2話 Cですが、何か?
「源。ごめん、さっきは」
ホームルームを終え、廊下で待ち伏せをされた感じで声を掛けてきたのは三浦
金髪碧眼の読モ。魔改造された制服。もはや何処の高校ですか、と聞きたくなるほどだ。
高身長で手足が長いので改造された制服がやたら似合う。そんな女子が申し訳なさげに寄って来た。距離近い。
さては寝取られた傷心に付け込んで、なんかの宗教に勧誘する気だろう。
「なんの話? 貸してた千円やっと思い出してくれた件?」
「えっ⁉ 借りてた⁉ ごめん、返す!」
「いや、冗談だから。三浦、記憶力ザルだなぁ。それでなに?」
「う、うっさいぞ! あっ、そのね。さっきのチョップ。ピンクじゃなかった、でも君が悪いんだからね? 見えたみたいな言い方するから」
「いつ気付いた」
「さっきトイレで脱いだ時……は⁉ これ誘導尋問じゃない⁉ セクハラ! シネ!」
からの間髪入れずに回し蹴り。幸い紙一重で止めてくれたが技の切れがパない。
「そうか、そうか。三浦陽はトイレで脱いだ時にピンクじゃないのに気付いて『わたし、どうしよ! 本気で殴っちゃったぁ~~マジサイアク!』になったわけか。気にするな、俺の心は寝取られを経験して大きく成長した」
「その成長過程知りたくねぇ~~あのさ、微妙なモノマネやめて、キモイよマジで……あと脱いだをリピートしないで。普通脱ぐでしょ」
「そうだね、俺ったらキモイの。だから寝取られるんだ」
「だからごめんて、大きな声で教室で言ってさ。ついよ、つい! でも君さ、卑屈感が清々しいほど板についててヤバい……君には悪いけどウケる! 自虐ネタさせたら私の中で1番よ!」
なにそれ、もうそれ告白じゃね? もう付き合わない? 考えてみたら恋を忘れるのは恋なんだよ。思えば今の寸止めの回し蹴りも愛を感じる、いや感じないか。
「いいんだよ、それが俺の等身大なんだから。で、ピンクじゃないなら何色だったんだ?」
「えっとね、水色と白のシマシマ! って違うだろ! なに私のパンツのガラ聞き出してんの! なんでホイホイ答えるかな、私!」
「そうか、もう俺ったらお前の姿水色と白のシマシマパンツで脳内補完出来てるぞ? 寝取られるだけあるだろ、俺?」
「なに系の自慢よ! まぁ、机に突っ伏してるよかいいけど。そうそう、なにかあったらいつでも言って。私も篤紀もこういうの大っ嫌いだから。味方するよ」
「ありがたい。じゃあ、味方ついでに何カップか教えてくれると助かる」
「えっとね……って言うか~~い! バカか? バカなのか? 私が源に『Cなの、テレテレ~~』なんて言うワケないでしょ!」
「そっか、三浦
「はっ⁉ 私ったらなんでこんなに押しに弱いの⁉」
「いや、別に押してねぇし。じゃあな、三浦。また明日、愛してるぞ」
「うん! またね、私も!」
それから少しして遥か後方で「愛してるってなに⁉ 私もってなんで⁉」と絶叫する三浦の叫び声が聞こえた気がした。
久しぶりに人と話した。三浦陽の発言「だから寝取られるんだ」に対してのクラスの反応。どうやらクラスじゅう承知のことらしい。それはそうか。
和田一党の目的は俺の彼女を寝取ってぎゃふんと言わすことだ。黙っておく理由はない。
直接言わなくても、仲間内で話してる
しかしここに
まぁ、もう関係ないか。SNSもブロックされる前にこっちからしたし。写真やメールもちゃんと破棄した。
思い出もいい感じにドロドロに上書きされた。女は上書き保存と言うが俺も上書き出来たんだね。
もう、ベタ塗りよ。もうその塗りつぶしようときたら、医者が心配するレベルだと自負する。
三浦といい感じに会話出来ていたが、俺にはまだイベントが待っている。出待ちしてくれるのは何も、三浦
和田一党も同じだ。わざわざ放課後先回りしてくつ箱でたむろしてる。なんなの? 暇なの? そんなイチャイチャショット俺に見せて楽しい? 楽しいんだろうね、楽しいから毎日俺より先にくつ箱集合するんだよね。
どうでもいいけど、友奈も毎日参加している。この意味がわからない程バカなのか? いや、バカなんだろうね。
俺には関係ないけど、本当にモテてる気でいるんだ。マジもんの都合がいい女子にしか見えん。一々言わんけど。あぁ、めんどくさい。めんどくさい王者決定戦だ。頂上決戦と言ってもいいだろう。
なんで来る日も来る日も同じイベントを開催する? これがスマホゲーなら運営さん大炎上間違いなしなんだが。
どうしたもんだ? めんどくさいから謝るか? いや、何にだ。寝取られて謝るとか、マジで意味わからんわ。っていうか、ひとりの女子の人生歪めてまですることなの?
いや、残念ながらその女子自身悲劇のヒロインみたいな表情してるけど、俺に言わせたら完全に喜劇スターだからな? 高校入学即何人と関係持ってんだよ?
ここ高校な? 大学のヤリサーじゃないぞ。いや、実際ヤリサーなんてのあるか知らん。エロ動画でしか見たことないけど。
「どいてくれないか」
ほら言わんこっちゃない。君たちは俺に嫌がらせをしてるつもりだろうが、他にも大勢の生徒さんがだなぁ。考えたらわかるだろ? 気の弱い連中ばっかじゃ……
「佐々木……どうした。お前くつ箱ここじゃないだろ」
「まぁね。でも君のためにやってる訳じゃない。困ってる女子に頼まれてね」
何この感じ。男版ツンデレじゃないか。何よ、アンタのためじゃないんだからね! たまたまなんだからね! 勘違いしないでよね!
みたいな感じか? どうしたいんだ、佐々木
いや、いくら性格が男っぽいとはいえ、どうせなら三浦
「そうか、でもじゃあ間接的にだけど助かる。俺が言ってもいいんだけど、どうしてもな、痴情のモツレみたくなるし。未練がましいみたいな?」
「未練? 君にはそういうのあるのか? 君が冗談を言うとは思わなかった。まぁ、
「いとこだってな」
「あぁ、昔から男前のいとこに比べられて
逃げ損ねた友奈は慌てて頭を下げ去って行った。その背中に佐々木は追い打ちをするように声を掛けた。
「そうだ、君。僕も陽も
なにこのイケメン。結婚したい。いい声。いい匂いがする。
□□□作者よりのお願い□□□
好評をいただきましたので、調子に乗り連続投稿です。年末のお忙しいところ読み進めていただきありがとうございます!
「次回投稿が楽しみ!」
「主人公、そっち系に目覚めるの⁉」
「やっぱパンツはシマパンがマスト!」
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