入学早々寝取られたので、学園のツートップ美少女と付き合いました。
アサガキタ
第1話 今日はピンク。
俺の名前は
突然だが俺の持論。寝取られるには寝取られるだけの理由がある。
世の中には、あまのじゃくというのがいる。何に対しても皮肉しか思いつかないし、批判しかしない。付け加えると根拠のない自信に満ちあふれている。
それが俺だったりする。
不用意に敵を量産するが、存在そのものが掴みどころのない俺はそれでもそれなりに居場所があったりする。
不思議なことに彼女もいたり。
でも残念ながらというか、当然ながら敵が多い。攻撃というのは物理攻撃でなくても相手にダメージを与えることが出来るらしい。
その事を身をもって知った。15の夏。
そんな訳で、俺に対しての当て付けで彼女が寝取られた。寝取られという概念がいまいちわかってない。
彼女とは付き合ってる。いや、付き合っていたか。それはもう健全な関係。中学が同じで高校で再会。
特に話す関係でもなかったけど、入学早々の不安もあって、顔見知りというだけで話をするようになった。まぁ、ありふれたきっかけで交際がスタート。
登下校を一緒にする。夜は連絡を取り合ってどうでもいい話で盛り上がっては幸せを噛みしめる。そんな関係。
俺が言うのもなんだけど、そんなに目立つ娘ではない。いや有り体に言えば普通な娘だ。
高校のトップカーストとか、クラスで2番目にかわいい系ではない。気立てがよくて笑うとかわいい。それ以外は目立つところはない。
細くも太くもなく、背も低からず高からず。地味過ぎず、派手でもないそんなどこにでもいる娘に恋をしていた。
クラスにはアンチ俺みたいなグループがいる。そんなに大きなグループではないが、4人。うっとうしいが無視しても問題ない規模。
しかし相手はそうはいかなかったらしい。普段からすかした俺になんというか、ギャフンと言わせたかったんだろう。
直接ケンカを売る。腕に自信はないが気だけは強いので、売られたケンカは買う準備が出来ていたが、連中は連中なりに
殴る以外でのダメージを俺に加えたかった。そのターゲットになったのが、普通な俺の彼女
先に言うと寝取られたと言ったが、力ずくとか脅迫ではない。
和田
和田は俺の目の届かないところで、
最初は友奈も迷惑がり俺に相談して来ていたのだが、ある日を境に俺の誘いを断るようになり、連絡を取っても心ここにあらずな感じとなり、いま風の髪型になってスカート丈も短くなったある日、別れを切り出された。
追いすがられるのが面倒だったのだろう。友奈は初手でトドメを刺しに来た。
「私たち、もうそういう関係なんだ」
そう言って廊下で待つ和田の元へと駆け寄り、これ見よがしに腕を組んだ。後で聞いた事だが、友奈を口説いていたのは和田だけじゃなく、和田の取り巻き4人で交互に口説いていたらしい。
普通だった友奈は突然のモテ期に舞い上がり、俺の言葉にも存在にも見向きもしないようになり、今では4人ともと関係を持つとんでもない女子になっていた。
普通で清楚だった頃の友奈の姿は跡形もなく、今では便利なオ〇ホ同然だ。これを恋愛と呼ぶかは別として、俺に対しての嫌がらせと同時にお相手してくれる女子を得たのだ。十分過ぎるざまぁを喰らった訳だ。
そこで俺の持論。寝取られるには寝取られるだけの理由がある。
そして青春はまあまあクソだ。
まぁ、さぞかしおもしろかろう。机に突っ伏した俺の姿は。キレてもいいが、振られ男のみじめな末路を際立たせるだけだし、こうもお股がゆるい友奈に興味が失せたのを事実だ。そうそう、言い忘れた。
ご丁寧にやつらは友奈とわかる半裸の写真をそれぞれが送りつけて来た。
もちろん、大事な部分はぼかしてはいるが、行為の後で撮られたのは見てわかる。撮る方も撮る方だが、撮らせる友奈もどうかしてる。
その日は不思議と俺の日課、机突っ伏しタイムを邪魔する者がいた。そろそろ見てるだけに飽きた和田一党が直接嫌がらせに来たと思いきや違った。
「源。心中
男だがきれいな声。聞き覚えがあるようでない、少なくとも和田一党ではない。顔をあげるとそこには少し茶髪掛かった色白のイケメン。
「佐々木……? その、なんだ……アレだ、痛み入る」
「痛み入るって、源あんた武士か? 意外に元気じゃん。目は死んでるけど。よく言われない? 死んだ魚の目に似てるって」
「言われない。まぁ、お昼のニャンコの目と言われる」
「ニャンコ! ニャンコだ! お手はお手!」
「
「そう? このニャンコは皮肉れてるからするかもよ? ねえ~~源にゃん?」
佐々木に続き能天気な女子の声。この声は知ってる。三浦
しかも三年間同じクラスだ。金髪碧眼なのは母親が確かフィンランド人だったか。見てくれは読モをしているところから、わかるだろう。性格は男前を通り越してほぼ男だ。
問題は三浦陽ではない。
佐々木
だけど誰かが言っていた。彼はギャングスターだと。
「困ったことがあったら力になる。いつでも言ってくれ」
そう言ってギャングスターこと佐々木
「三浦。佐々木って彼氏なの?」
「はぁ⁉
「そうなのな、そういやどことなく似ているような……知らんけど」
「でしょ、でしょ! 私らさぁ足の小指の爪がそっくりなの! ほれ見てみ?」
そう言って三浦陽はその辺の椅子を引き出し、靴下を脱ぎ去り指をぴーんとさせて見せてくれたはいいが、俺は佐々木の小指の形を知ってる訳がない。
しっかりしてくれよ、君読モだろ? おかしいだろ「ホントだ~~佐々木とそっくり過ぎてウケる!」とか俺が言ったらさ。もしそうなら俺と佐々木の距離感バグってるからな?
ふたりの関係に口出ししないで、みたいになるぞ? いや、ならんか。
「ねぇ、似てると思わない?」
「似てるかわからんが、今日はピンクなんだな」
「ピンク? ん……はぁ⁉ 源⁉ あんた一回シネ! だから、寝取られんのよ、ばーか、ばーか!」
空手チョップを喰らい、クラス中の注目を集め、三浦陽はぷりぷりと教室を出て行った。その後ろ姿を見ながら「寝取られ」がクラスのホットワードなのに改めて気付いた。
15の夏。
□□□作者よりのお願い□□□
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「次回投稿が楽しみ!」
「主人公のボヤキがもっと聞きたい!」
「やっぱ、パンツはピンクだろ!」
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