第12話 ぼくらのふぁんたじーⅠ
待ち合わせは朝九時に始まりの町の噴水前に集合で時間通りに集まって軽く挨拶して
最初は冒険者組合に行き受付嬢に【ギルド結成の証の短剣】を見える所に身に着け話し掛けてギルド結成のクエストのフラグを立てる。
それだけで冒険者組合として信用している証となり、それを見込んで飛び込みのクエストを頼まれて冒険者組合で用意された馬車に乗って、クエストの依頼人である貴族の所まで案内され、屋敷の応接間にて依頼人である貴族の男性から依頼の詳細を聞く事になる。
依頼の内容は典型的な内容で、呪いで倒れた夫人と娘を助けて欲しいと言うクエストなのだが、ここからが面倒になる。まず最初に解呪の方法を高名な魔女の所へ赴かないと行けないのだが、これも典型的で人里から離れた場所で暮らしているためそこへ向かう事になる。
当然、その道中には魔物が現れる。
「ユキト頼む!」
「ああ!よし! レナあとは頼んだ!」
「行くよ! サンダーボルト!」
一つ目のサイクロップスは雷属性が弱点なのだが、並みの剣と剣技ではたいしたダメージにはならないためタッツーはタンクとして注意を引いて攻撃を受け止め、ユキトがタッツーの作った僅かな隙を狙って弱点部位である目に矢を放ち、それが命中して大きく怯んだ所をタッツーが後ろに跳んで距離をとった所でレナの雷魔法が命中して難なく倒すことに成功した。
タッツーが相手の足をとめ、ユキトが怯ませて、そこにとどめレナの攻撃魔法を叩き込む、それが基本の連携技となっている。ラナには補助魔法や有効アイテムなどの使用を任せているからこそ、三人は目の前の魔物に集中できているのだ。
「マップによれば、ここを抜ければ高名な魔女がいるらしいぞ」
それを見てタッツーは着いた事に少し安堵し、ウィッチハットとウィッチローブで見た目を魔女にしているレナは目をキラキラさせてはしゃぎ、ラナもまたレナ程ではないがワクワクさせていた。
「うっわぁ、これまたお約束と言うか何というか……ありがちな場所だな」
「ユキ君、何言ってるのそこが良いんだよぉ~」
「駄目よラナ、馬鹿ユキトにはこの良さが分からないんだから」
「まぁ、ユキトの気持ちは分からない訳じゃないけど、女子がいる時は黙っとこうな」
「モテる男は言う事は違うわね」
「でも、ユキ君がタツ君みたいになったらユキ君じゃないね」
「はいはい。俺はデリカシーのない男ですよ」
「ほらほら。三人とも時間が限られてるんだから入るよ」
たっちゃんはモテる。頭良し、顔良し、性格も小学生の頃のやんちゃ坊主が抜けて中学に上がってからは落ち着いて、そんな大人な雰囲気と顔立ちで同年代の女子を虜にしていた。たっちゃんと比べるとユキトへの印象はまだまだ子供だろう。
魔女の家に入ると、これもまた絵に描いた様な魔女の老婆が大釜で何かを茹で混ぜていた。
「知育菓子だな」
「知育菓子だね」
「知育菓子ね」
「知育菓子?」
「「「え!?」」」
水で粉を溶かして練って作るお菓子のCMが昔からあって、魔女姿の老婆が大釜で混ぜるインパクトがまさに一緒だったのだが、タッツーとは共感しなかったようだ。
『ひひひ、わたしに何のようさね』
「解呪の方法が知りたくて来ました」
一定の距離まで行くと魔女が話し出しタッツーが代表してストーリーを進めラナは魔女の家の内装にわくわくしてスクショを撮って楽しみ、ユキトとレナは魔女から言われた素材について家の中にある本棚の中から本を見付けて調べてフラグを立てた。
FLFは極稀にクエストの製作者さんの妙な拘りがあったりして、会話だけでなく調べてフラグを立てる仕様があり、忘れるとアイテムが入手できなくて戻る事になるため気を付けないといけない。
「
「おっと、たっちゃん、そこは我に秘策ありだよ」
「このクエストのリザードマンも強くないらしいから二手に分かれない? そっちの方が効率が良いでしょ?」
「でもレナどうやって決めるの?」
「そんなのグッパーで良くない?」
「あ! それなら良い物を持ってるよ」
タッツーがアイテムボックスから、くじ引きXっと言うアイテムを取り出しキーボードを出して何かを打ち込んで準備をして三人の前で箱を差し出した。
中には四つの玉があり、その玉には薬草と書かれた玉が二つと鱗と書かれた玉が二つあり、それを引いて決めるとのことだ。
四人一緒に箱の中に手を入れてそれぞれ一つ手に取り、「せーの」で引き抜いた。
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