第五話 忘れた頃に襲い来るドジっ子属性
2023年7月14日。
なんやかんやありつつも、無事プロット第二稿を提出。
8月11日に担当さんからのGOサインを戴き、本文執筆を開始した。
執筆の合間に春田さまから上がって来たキャラクターデザインの確認作業で心を回復させながら、10月2日に初稿を完成。
それから約3週間、本文の確認に時間がかかることは事前に連絡を受けていたため、私はのんびりと束の間の休息を味わっていた。
そして10月25日――またしても担当さんはぶち込んでくれたのである。
『先日はお原稿のご提出を誠にありがとうございました! ただ、何か所か修正を入れていただきたい箇所がございまして……お時間が短くて恐縮なのですが、10月30日を目途でお戻しをいただけないでしょうか……』
あ、5日もあるんですね。了解了解。絵師さんを実質1日で選べと言われたのに比べれば余裕余裕~。
……などと思っていた私は、甘かった。
約2か月の本文執筆期間で、私はすっかり忘れていたのだ――。
担当さんが、凄まじいドジっ子属性だという事を。
『また、今作について、タイトルをもう少し詳細につけたいなと思っております』
(うんうん、それもそうだな)
私としても元タイトル『DUO』のままだと素っ気ないし、作品の中身も分かりづらい。
メールではメインタイトル案1つとサブタイトル案2つが提案されていたが、ちょっとピンと来なかったので、いくつか提案して話し合った方が良いなと思いながら文章を読み進める。
『タイトルにつきまして、大変大変申し訳ないのですが……私が情報解禁を1週間取り違えておりまして』
――……んんん?????
『……可能であれば、明日までに決定したいです』
「は?????」
私はこの一文にしばし硬直した後、徐に壁の掛け時計を見上げた。
現在時刻、20時30分。明日の仕事は朝6時から。
「……担っ当、さーーーーーーーーーーーん!!!(怒)」
流石にこれはふざけんなオラァ!! と叫びながら私は爆速で担当さんに電話を入れた。
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