第2話 野球が出来ない?(バット編)

僕が田村に自分がチームに入ることを伝えると田村は凄い喜んだ。

でも、野球の道具も揃っていないし練習場所もどこか知らない。

「田村、バットやグローブなどの道具って借りれるよね。あと、練習場所って決まってるん?」

「え、自分で用意するに決まってるじゃん」

「え、借りれないの?」

グローブやバットも用意するとなると出費が高くなるだろう。今自分の貯金に買える金はない。

「まあ、練習まで時間あるから大丈夫よ」

そういうと田村は「 次、移動教室だから」と言って教室に戻って行った。

帰りにスポーツショップでバットとグローブがいくらするか見に行った。二つで10000円ぐらいか。思ったよりも安かったが今俺は金欠で買える金はない。帰ってお母さんに頼んでみることにした。

「ねえ、野球のバットとグローブ買ってくれない?」

「自分のお金で買いなさい。お小遣い渡しているでしょ」お母さんは夕飯を作りながら答えた。

「お願い買って」僕は必死に頼んだ。

「じ、ぶ、ん、で、買、い、な、さ、い」

お母さんの怒りのスイッチがオンになりかけたのを察した僕は諦めて自分の部屋に退散した。

それから2日後の朝、僕はお母さんに起こされた。

「今日は粗大ゴミの回収日よ。量が多いいから手伝って」

「わかったよ。今、起きるから待ってて」

僕はお母さんに言って起き上がり下の1階に降りた。朝ごはんを食べ終わると僕は手伝うためにウルトラマンのデザインの帽子を被って外に出た。この量、処分するのが大変でサボっていたなと僕は思いながら手伝うと粗大ゴミの回収場所に古い金属バットがあることに気がついた。グリップ部分はボロボロ、サビだらけ、球を打った跡が沢山ある。極めて状態が悪い状態だ。

でも今は自分で用意できる程の貯金がない。

僕は回収係の人に貰えないか頼むと了承してくれたので暫くは、このバットを使うことにした。

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