今晴らそうぞ

 暗闇の中、たくさんの声が聞こえる。

 なんだか胸が締め付けられる心地がした。頭も痛くなってくる。

 苦しい。

 どうしてこんなに苦しいんだ。

 何が正しいとか正しくないとか、もうよくわからない。

「大丈夫だよ」

 そんな優しい言葉をかけてきたのは、幼い頃の自分だった。

「もう強がらなくて、良いんだよ」

 ああそうか。もう傷ついても平気なフリしなくて良いんだな。

 受け止めてくれる仲間がいるから。

 ライバルも、弟分も、相棒も、他の連中も。いくら自分が弱くても、それだけで見捨てたりはしない奴等だ。

 わかっていたはずなのに。

 どうして自分は今まで積み上げたもの全てを捨ててまで、強さを求めてしまったのだろう。

 我ながら情けない限りだ。

「あまり自分を責めないで」

 幼い頃の自分が言う。

「みんな待ってくれてるから」

 いつしか自分は色鮮やかな花畑の中に立っていた。遠くで仲間が呼んでいる。

 さぁ、夢から醒める時間だ。

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