冬の散歩

 雪の上を歩くのって、なんだかわくわくする。冷たいから思わず早足になっちゃうけど。

 あれあれ?

 ぼくはびっくりした。足跡がいっぱいある。

 どうやらわくわくしていたのはぼくだけじゃないみたいだ。

 おや?

 後ろの方からざくっざくっと音が聞こえる。

 雪が押しつぶされているような感じ。

 まずいぞ、誰か来たみたい。ぼくは急いで飛び立つと、近くの電線の上にとまった。

「あっ、逃げちゃった」

 下から聞こえてきたのは残念そうな声。赤いものを背中にしょって、黄色い帽子をかぶっている女の子だった。

「どうしたの?」

 その後ろから別の女の子が追いかけてくる。茶色いものをしょったその子は、黄色い帽子の子よりもお姉さんらしい。

「鳥さん逃げちゃった」

「しょうがないよ。鳥さんはとっても怖がりだから、人間が近づくと逃げちゃうの」

「そっかぁ」

 お姉さんの言ったことに女の子は納得したようで、そのまま二人は歩いていった。

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