狙われし色

 この町で起こった連続殺人事件。

 被害者は既に六人出ている。

 事件の整理もかねて被害者リストを再度確認することにした。

 明石純、刺殺。

 堂山悠哉、毒殺。

 木崎大河、電殺。

 観鳥美寿々、撲殺。

 蒼生里香、溺殺。

 村崎涼、薬殺。

 殺害方法はバラバラだけど、彼等には何か共通点があるはずだ。一体何が――

「ふわぁーあ」

「……先生、しっかりしてくださいよ」

「だって眠いんだよ、相田クン」

 そう言うと先生は再び大きなあくびをした。

 先生は事件発生当初から連日徹夜で推理をしている。

 気持ちはわからなくもないけど、こんなに犠牲者が出てるんだからしっかりしてくれないと。

 村崎涼の自宅をあとにした私、相田珠樹と美澄九郎先生は雨上がりの湿った道を歩いていた。

「おや?」

 不意に先生が言う。

「虹じゃないか」

 見れば大きな虹がかかっている。

「わぁ、綺麗ですね先生――先生?」

 先生の方を見ると険しい顔をしていた。

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