第346話
「『
俺は聞き慣れない言葉を言ったので俺は桜の頭を撫でつつ聞き返す。
「『
そう松則さんが言うと桜が力強く抱きついてきたので頭を撫でつつ俺は松則さんの言葉を聞いた。
「『
「…!!」
松則さんの言葉を聞いた桜は耐えられなくなったのかそのまま勢いよく俺を引き寄せて俺の胸の中に収まる様に抱きついた。そんな様子で更に震えだした桜の頭をまた撫でつつまた松則さんと話し出す。
「正直、自分には何の事だか分かりません。ですが双方に一番関係しているのは間違いなく渉さんと桜さんなんです。だからお二人が計画について何も知らなくてもいいけれど、この話をしないと取り返しのつかない事になりかねないと感じたからこそ自分は赤城様に無理を言ってこの場にいます」
「…なるほど、つまり忠告って訳ね。国外逃亡したあの野郎が桜だけではなく夏美やレイちゃん達狙っていて…俺の命すら狙っている…と」
「はい、一平の事はよく知りませんが…最悪の場合はこの紙に書いてある自分の電話番号に連絡して下さい、必ず力になります。あの一家に母さんは苦しみ、そして自分はそんな母さんを見て育ちました。だからこれ以上あの一家のせいで苦しむ人は見たくありません」
俺との会話の最中に真顔で折り畳まれた紙を渡してくる松則さん。松則さんの顔をみれば、彼自身もまた父さんみたいに室谷の家族に振り回されて生きてきたんだと分かる…受け取らない理由が無い、間違いなく罠じゃなく善意であるのが分かるからだ。
「…教えていただきありがとうございます。この情報を知っているかいないかでかなり変わってくる情報でした。明日にでも他のメンバーとレイちゃん達に情報を共有し、何かあった場合には必ず電話をさせてもらいます。
後、さっきは高圧的な態度をとってすみませんでした。俺にとっても一平は敵ですから…その…その関係者と聞いて…つい…」
「大丈夫です、こういう扱いには慣れてますから…でも、実は先程のあの殺気は流石に体験した事がありませんでしたので今も右足が震えていて喉も乾いてます…お恥ずかしながら気絶するかと思いましたよ」
俺が何とか片腕で差し出された紙を受けとりながらそう言うと、松則さんは少し笑顔になりながら頭を片腕でかき始める。まあ、俺の殺気は禁層のモンスターを参考にしているから…そりゃキツイだろう。少しやり過ぎた気がする。
その後、何とか桜をベットへ移動させて松則さんを見送る為に廊下にでる。その際に叶の部屋から一二三と赤城さんの声と叶の悲鳴が聞こえた気がしたが、俺は気にせず松則さんをホテルの外まで見送った。
そして自分の部屋に戻り、ベットにいる桜の容体を見る。
「桜、大丈夫か?」
「…むり、今日は一緒に寝て。起きるまで強く抱きしめて、アイツが夢に出てきても大丈夫何様に近くにいて…お願い…!」
そう言う桜は完全に震えていて、何かに怯える小動物の様に見えた。
無理もない、ようやくあの男から解放されて約一年くらいだが一切関わりがなかったのにいきなりまだ桜を狙っていますとか言われたらトラウマが再発してもおかしくはないな。
「…わかった、取り敢えず桜の両親は前のキャンプの際に連絡先を交換したから俺から事情を説明する。それまで1人で待てるか?」
「…うん」
弱弱しい桜の返事を聞いた俺は急いで桜の父さんに電話で連絡を入れる。電話の最中に服が弾ける音と『後は任せな。それよりも今は弱っている桜と一緒に寝て落ち着かせてくれや、
俺はスマホに充電ケーブルを差して充電しているかを確認した後に桜が待つベットにいく。そのまま桜の隣に寝そべると桜は流れる様に俺の胸に抱きついて離れない様に両腕で俺の体を固定した。
「おやすみ、桜。何が危なくなったら遠慮なく起こしてくれ」
「…うん、ありがとう」
俺はその行動に動揺する事もなく流れる様に布団を俺と桜にかけて電気を消し、眠りに入る。
(あの野郎が、もしまた俺の仲間に手を出したならば…今度は気絶程度では済まさねえからな!)
そう俺は思うと眠気が来て、桜の体温と香りを感じながら眠るのだった。
「一二三さん、いい加減にして下さい。私は今から叶さんと婚約者のふりの練習の為に一緒に寝るだけです!深い意味なんて…その…ありまちぇん!///」
「信用ならない。ならば私も一緒に寝る。貴方の事は前々から警戒していて、今回の件も仕方がないから黙認したけれどまさかこんな大胆な行為をするとは…叶と一緒に動画編集をしていなかったら明日の朝から叶の頭を齧る所だったよ」
「いや、だから俺は椅子なりで寝るからお二人さんがベットで寝れば解決…
「「却下、それは意味がない!」」
何で!?そもそもベットはシングルだから三人は狭すぎるんだよ、取り敢えず冷静になって落ち着け2人とも!?」
あ、叶の事をすっかり忘れていた。
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