第311話
姉さんの件はまじで荒れた。
ダンジョンの記録層を出て桜達と合流した際に後ろから抱きついて笑顔で頭を撫でまくっている姉さんを見て桜と夏美、ミリアさんが目に光がない状態で詰め寄ってくるし周りの人も突然現れた人に驚きつつアフロ頭の一二三が持っていたニホンカワウソを回収したりと忙しく動いていた…のだが、その時に幽鬼君と一緒にいた優香さんがとんでも無い事を言ったのだ。
「あの、お兄ちゃん。何故その人…お兄ちゃんみたいに心の風景が見えないんですか?」
この一言で更に周りは混沌とした。
優香さんのErrorスキルは強制発動、だから俺以外の人には必ず発動するスキルだ。そんなスキルが姉さんに発動しなかった…そりゃ、大事にもなる。
その後何とか桜達を説得した俺達は自衛隊のヘリで岐阜にあるギルド支部に行き姉さんのスキルのチェックをする事に。そしてわかったスキルの構成は以下の通りだ。
佐藤 /女
ジョブ
『薬師』
スキル
『努力』
『真・龍人化【緋雷神龍】』
『地図』
『(
以上、ジョブの『薬師』が詐欺に見えるレベルの脳筋ビルドである。
まずジョブの『薬師』、スキルの『努力』と『地図』は前に説明したので説明は省き、『真・龍人化【緋雷神龍】』と『(
まず『真・龍人化【緋雷神龍】』は一二三の『龍人化』の完全上位互換。力、スピード、動体視力などの全ての身体能力が『龍人化』よりも強くなり、緋雷神龍の赤い雷と砂鉄と磁力を操る力を使えるチート性能。ただ弱点として身体能力だけなら別に問題ないが赤い雷などの緋雷神龍の能力を使うと体力とカロリーを消費する使用らしい。
次にErrorスキル『(
だが姉さんの拠点…いや、俺と姉さんのErrorスキルの拠点が揃った事である事実が分かった。それは…
「ダンナ、そろそろ時間なんですよ!」
《そろそろ訓練は終わりだ。今日は大事な日なんだろ?遅刻は不味いんじゃないか?》
俺と姉さんが同意すればお互いの拠点が合体して地続きになる事だ。コレはお互いが分断する事を同意するまで合体し続けるのでこうやってもち丸や焔が姉さんの拠点にいたりする。というか友狐達が姉さんの許可を得て切り落とせば一日で再生する樹木を伐採して材木や炭、キノコの栽培などをしている他この森での戦闘訓練などをさせてもらっていたりする。代わりに姉さんの拠点に友狐が20匹ほど移り住み、姉さんの代わりに料理や洗濯などの生活面をサポートしたり畑を作り野菜を栽培したりと姉さんも友狐も俺もWin-Winな状態になったのだ。
「そっか、もうそんな時間か…なら今日はもう切り上げて私の拠点の『天然温泉』に入るか…あ、渉も一緒に入る?」
「警察のお世話になるつもりはない」
「もう、照れ屋さん♪」
姉さんは俺とそう会話してから自分の拠点のログハウスに歩いて行く。
因みに姉さんの拠点の部屋は現在3つ、(寝室)(食糧庫)(天然温泉)の三つだ。因みに天然温泉は露天風呂仕様の為かなり開放的だ、そして混浴仕様だ。だから俺はあまりここの温泉は入りたくない、マジで警察の世話になる案件だから。
「全く…なら俺も今から俺も自分の拠点に行きますかね」
「なら、僕に乗るといいですよ。変身!」
俺は頭をかきながら姉さんの愚痴を言いつつ自分の拠点に行こうとしたらもち丸が大きくなってくれたので俺はそれに甘えて背中にのる。焔も俺の頭に後ろからしがみ付き、その後もち丸は俺の拠点の方に走り出した。
《…まあ、この三週間の間あの子を見ていたが荒れた様子はない…外の人間達はあの子を認めたって判断であっているか渉?》
「ああ、記者会見で全部話したからな…でも、その後に何人も自称姉と名乗る奴が沢山出てきたのにはビックリしたが…『
《そりゃ傑作だわ》
頭に引っ付いている焔とそう会話をすると焔は笑い出し、俺はこの三週間で起きた出来事を思い出した。
まず、姉さんが何故俺と同じErrorスキルを手に入れた理由はすぐに分かった。Errorスキルは子供に遺伝する、これはレイちゃん達獣人の王族が代々スキルを継承しているので間違いない。つまり姉さんは自分の龍の時の左手を使って肉体を作ったが、その際に俺の左足と血がついた服も同時に使った。その2人は俺の遺伝子の塊であり俺達が血の繋がった兄弟になる原因になったと同時に俺の遺伝子から俺のErrorスキルである拠点を継承する原因になったのだ。
だからその後に記者会見をして俺達家族と渡辺さんは叶の撮影した映像と一緒にこの事を説明。その際にかなり混沌としたが姉さんが、
「私は元モンスターだが今は人間だ、だから人として生活するし家族も大切にする。どうか皆さんと一緒の人として認めて欲しい」
と言って記者達の前で土下座をした。その姿を見てその会見を見た人達は驚いたが、同時にそれが姉さんが本当に家族を大切にする1人の人間であると世間に認知させるキッカケになった…だが、その後に俺の姉と名乗る女性が大量発生して姉さんがブチギレて威嚇(比喩表現)をしたのはここだけの話。
なお、千花は姉さんの名前で父さんが昔母さんと話して決めた15個の名前から選んだ名前だ。
「それよか、まず千花姉さんの戸籍もキチンと配布されたのはいいけど記者会見の時の爆弾発言で更にダンジョンに挑む人が増えたのは意外だったな」
俺はそう呟きながら空を見上げる。記者会見の時、実は姉さんはとんでもない事を言ったのだ。
「私はダンジョンの事はあまり知らない、なぜ存在するのかも分からない。
だけど私が知っている事は二つある。
一つは一部のスキルはある程度鍛えれば進化する事。
もう一つは宝箱から出るスキルに関わる力の塊には4種類あり、その内の2つがErrorスキルを手に入れられる可能性がある事。この二つだけ、あとは知らない。」
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