第4章 悪意と私欲の惨劇×立ち向かう親子=ああ、我が片割れよ。我は座して汝を待つ

第259話

〜〜 ??? side 無 〜〜



「クソ!何であのクズが目立ってるんだよ!アイツは生まれた時から俺のオモチャだろうが!?」


ここは何処の屋敷の一室、その部屋の中で金髪で耳にピアスを付けた男性がイライラしながら新聞を床に叩きつけて叫んでいた。


「イラつくな!せっかく家の実権を手にしたのにアイツがそれ以上の物を手にしているのは腹が立って…あ」


そのまま新聞を踏みつけながら叫んでいた男だが、ふと何かを思いついたのか新聞から足を退ける。


「そうか…手にしているなら、アイツごと壊せばいいか♪

別に死んでも俺はスッキリするし、死んだらこの土地が有名になって村おこしに使えるしな。そうだ!丁度家には『アレ』があるから使おう。そうなれば死んでも変に思われない理由がいるな…」


そう言って男はポケットからスマホを取り出し、何処かに電話をかける。


「おい、どんな時でも俺の電話はワンコールで出ろって言ったよ…あ?そんな事俺に向かって言っていいと思ってんの?お前の両親は俺の手の上なんだぞ、両親のを殺されたいのか?…まあ、即金で50万と若い職員を5人紹介する事で今回は許してやるよ。取り敢えず俺の言う事を聞け、実はな…」


男は大声で電話しながら部屋から出る。その部屋には踏まれでボロボロになった新聞と布団の上で寝ていて、最低限の医療機械に繋がれていてかろうじて呼吸している老人がいた。




〜〜 10月17日 迷宮学園 side 無 〜〜




渉達〈狩友〉が東京タワーのダンジョンを制覇して一ヶ月が経過していた。未だ世間はダンジョンの制覇をした熱は冷めておらず、また〈狩友〉がまた禁層の蠍型のモンスターの自切させた部位や深層のモンスターの素材などをオークションで販売したり、国に東京タワーのダンジョンのできるだけ正確な中層、深層、禁層の地図や禁層のモンスターである金色の蠍の自切させた部位と銀色のカブトムシの下半身などを寄付し、日本は更にモンスターの研究を開始した。

そして獣人達の件も何とか問題なく進み、今年中には渉の住んでいるタワマンの改装工事が終了し、引っ越しをする目処がたった。

そして現在、迷宮学園は年に数回あるビッグイベントがたった今、始まるところだっだ。

それは…


〈只今より、迷宮学園第××回『迷宮祭』1日目を開催します!〉



迷宮祭、つまり迷宮学園の2日間に及ぶ文化祭が今始まったのだ。

国立迷宮学園もまた学校であり、体育祭などは勿論ある。そんな中でも一般の人にも学園内を解放して共に楽しむ文化祭である迷宮祭は地域一体どころか県外や国外からも来客が来るほど注目度が高い。だからこそ各クラスの出し物やイベント、外部から来たキッチンカーなどの出店や屋台など毎年クオリティの高い文化祭になるのは必然である。

そんな迷宮祭なのだが、今年は一段と盛り上がりを見せている。理由は勿論今年入学した〈狩友〉だ。

彼らはもはやダンジョン界隈にて日本を代表するパーティであり、そんな中でも2人いるリーダーの1人である渉は色んな意味で今1番注目されている人物だ。

世界で初めてダンジョンを制覇した人物であり稀代の職人、新しい薬や改良した火薬などを作り、果ては特別な乗り物や有人型ロボットを生み出す発明家にして命懸けでモンスターを狩る変人など様々な言われ方をしている人物であり人類で4人目のErrorスキル所持者でもある。

そんな彼のファンは年々増加しているが、つい最近になってErrorスキルが子供に必ず遺伝する事が発覚、そして彼のErrorスキルは『湖畔の古びた狩人の拠点』という収納量無限、衣食住完備、装備の補充や修理や製作もできる完璧な拠点を展開するスキルとあらば全世界がそのスキルに注目するのも当たり前だ。

さらに言えば彼にしかできない技術として人体総変異というのがあり、デメリットはデカいが使用すれば5分間だけモンスターの身体能力と特殊能力を傷の回復もかねて使用者に付与できる脅威の技術を持っている点も注目されている。

そして他のメンバーも世界中で注目されており、まず渉と同じErrorスキルを持つ最近マラカス製造工場からイメージガールとして採用されたミリアを始め、容姿端麗でスタイル抜群の為に色々とあって渉への依存度が上がってきた桜、一刀両断に加えて相棒となった望月と常に一緒にいる為に望月のドジをまともに食らって生傷が絶えないがいつも笑顔でいる叶、東京都内全域の9割の飲食店を回り終わり現在はどうやって居酒屋と小料理屋とバーを攻略するか悩んでいる暴食ガールこと一二三、機械にも見える義足にむちっとした太ももが人気を呼び更に禁層の戦闘シーンを見て更に一部マニアと絶対領域信者に高い人気を意図せずに得てしまった夏美など多種多様なメンバーもいる。

そんな〈狩友〉メンバー全員と絶対に会えるこの学園祭は始まる前から注目されており、例年の4割り増しの人がこの学園祭におとずれたのだ。

そんな中、そのメンバーのクラスである1年A組と夏美の所属するクラスの1年E組は今回学園祭にて出し物を合同でやる事にしており、現在1年A組で『喫茶店』をやっている。

…え、喫茶店なんて普通だって?…それは早計な考えだ。

確かに学園祭として喫茶店とは普通に考えられる出し物だ。そこに男子がメイド服を着たり女子がコスプレしたりなどをしても特に変でもない…だが、思い出して欲しい。渉の二つ名は何だ?…そう、『異常イレギュラー』だ。

つまりまともな考えで喫茶店なんてやらない、だってあの男はぶっ飛んだ考えを持っているからだ。

なら、どんな喫茶店をしているのか…それは、


















「いらっしゃいませ、『性別逆転&友狐触れ合い喫茶店〈TS & F〉』へようこそ!」


1年A組の教室で拠点を展開して前回ダンジョンの深層で手に入れた性別を逆転する水晶で性別逆転をしてそれぞれ女子と男子に用意してもらった服装を着て接客しつつ、友狐達にも接客&料理をしてもらいつつ触れ合える喫茶店、『性別逆転&友狐触れ合い喫茶店〈TS & F〉』をやっているのだ。

正にカオスな現場である。因みに希望があれば性別を逆転してくれるオプションもあるらしい。

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