第200話

「あの…なんで俺は正座させられているんだ?」


「「「当然だ馬鹿野郎!」」」


「まあまあ、皆落ち着いて…」


現在俺はミリアさんの座っているソファーの前で正座させられている。

取り敢えず現状の状況に何故なってしまっのかを簡単に説明すれば


俺が特別ゲストの事を簡単に言う。

全員絶句。

その間に自分の寝室に行き今回持ち込んだノートパソコンと外付けマイクとカメラとスピーカー、ギルドから借りたレンタルのポケットWi-Fiを持ってくる。

一式をテーブルの上に置いてから色々と準備を開始。

準備中に全員再起動。

その後、桜とミリアさん以外に強制的に正座をさせられる(今ココ)


…まあ、大体こんな感じだ。


〈渉さん、詳しく話して下さい。貴方は3番目のErrorスキルの所持者と言うのはもはや世間一般の人も知っている事なんですよ。でも、本当は貴方が4番目で貴方にスキルの事を教えた3番目の人がいる…そんなとても重要な事を何故今まで隠していたんですか?〉


ドローンの画面越しだが笑顔なのにめちゃくちゃ怖い渡辺さんを筆頭に桜とミリアさん以外の無言の圧が一層強くなる。

…取り敢えず、この場はキチンと説明をしないと後々面倒な事になりそうな予感がする、だから俺はハッキリと返答を返す。


「いえ、俺はその人の事を思ったから今日まで隠してました何故なら…」


〈何故なら?〉


俺は一息入れてから真剣な顔になる。


「何故なら、その人のErrorスキルは俺と違い、スキルを使う際にキチンと注意して使わないと最悪精神をやられて廃人になってしまう可能性がある危険なスキルだからです」


〈…え?〉


俺の言葉に画面越しの渡辺さんだけではなく叶達が一気に真顔になる。


「俺からは詳しくは言えませんがそのスキルはかなり危険な品物なんです、しかもそのスキルは本人の意思関係なく常時発動してしまう類のスキル…もはや呪いみたいな物なんです」


俺はそう言って顔を曇らせる。


「現にその人は俺に会うまではそのスキルは家族や数少ない理解者を守る為だけに使っていました、そのスキルが自分を苦しめる呪いみたいな物であると理解しつつもそんな自分を支えてくれる人達を守る為ならばとその人は考えていたんです。

だからこそ俺はその人の意思をキチンと理解たからこそ今日まで隠していました。だけど…」


俺はそう言うと、ミリアさんの顔を見るために体ごとミリアさんの方を向いた。


「今日、新たに五人目のErrorスキルの所有者が現れた。しかも本人曰く発動する条件が俺より細かいタイプのスキルだった…だからこそこう考えたんです、もし本人でも気づいていない条件があったら?もしそれが原因でミリアさんが死ぬ可能性があるのではないか?…てね」


俺はそう言って正座から立ち上がり、今度は渡辺さんが映るドローンの方に体を向けた。


「俺やその人も他人はおろか自分のErrorスキルの事を全部は理解していません、ですが少なくともミリアさん以上にErrorスキルの事は理解していると思ってます。

だからダメ元でその人にコンタクトを取り、何とかこの場でミリアさんの事を一緒に見てもらい旨を相談して、何とかOKをもらいました…まあ、後日何されるか分かりませんが…」


「いや、話しを聞く限り頑張り屋で普通にいい人なんじゃ…



「去年のダンジョン攻略の時、俺が自分のErrorスキルを公開した際にすぐさま俺の身を守る為に自宅の離れを改造して監禁部屋を作って俺を入れようとした人なんだよ、俺が言うのもなんだがかなりぶっ飛んだ人だ」



…前言撤回、唯の危険人物だった…てか何でお前の知り合いって一癖のある奴が大半をしめてるんだよ…!」


俺の話を聞いた叶がそう言いだしたので訂正する意味で補足を入れたが、叶は更に悩みだしてしまった。


「…確かに、渉の寝室のベッドの上で一緒に見たあの人は電動のインパクトレンチを回しながら目にハイライトが無かったからぶっ飛んだ人って表現は間違ってないね」


「ちょい待ち、今聞き捨てならない事を言ってなかった!?」


「あら、大胆」


「クワシクハナシテ!ハヨハヨ (((o(*゚▽゚*)o)))」


更に皆を宥めていた桜が何故か以前俺の寝室に侵入した際にスマホ越しに一緒に会った事を口にした為に夏美とミリアさん、一二三が反応してしまい収拾がつかなくなってきてしまった。


〈…皆さん、一旦落ち着きなさい〉


「「「!?」」」


そんな状況の中、画面越しの渡辺さんからこの場にいないにも関わらずまるで間近で殺気を浴びたような感覚がする声が聞こえ、俺達は一旦黙って身構えてしまった…いや、マジで怖い声だった、深層のモンスターの殺気と同等レベルの圧を感じてしまった。


〈取り敢えず、渉さんはその人と今すぐに連絡を繋いでください。詳しい話とかはその人を交えて話しましょう…では渉さん、お願いします〉


「い…イエッサー!!」


渡辺さんがまた同じ圧を俺に浴びせながらそう言ってきたので俺は急いでノートパソコンの設定をしてから優香さんと事前に話し合って決めた通話できるwebサイトにログインして優香さんに通話をかけた。

そして数十秒後、


〈もう、予定より2分くらい遅いですよお兄ちゃん!〉


和室の畳の上で正座している紫色の着物を着た優香さんが映し出された。その顔は少し怒っているようで不満そうな顔を見てしながら…


〈まあ、配信は見てましたから許してあげます。でも結果的に私だけじゃなく『ゆーくん』も待たせてしまったのには文句の一つも言いた…って、どうしたんですかお兄ちゃん?〉


正座している膝の上に童顔でトランクスヘアが特徴的な男性の『頭部』を乗せていた。



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