第131話
「『ケツコンしてください』…却下、『スキルとジョブの公開をしろ臆病者』…これは法律違反かな?、『(´༎ຶོρ༎ຶོ`)アニキ…シャテイニシテクレヨ…』…なにコレ?」
「ヤベぇな、今一二三がいてこれほど良かったと心から思ったよ」
「渉、君は配信について無知すぎる。だから今度2人っきりの時にキチンとそこら辺を教えてあげるね」
叶のドローンの下半分に映る俺に寄せられてた質問の一覧を一二三が検閲しているのを見て俺は謎の感動を覚えてた。
俺がこの手の事に関して余りにも無知すぎたかからか「…仕方ない、私が配信的にダメな奴を検閲する」と言って先ほどから俺に変わって集まった質問を捌いてくれている。
因みに隣で先ほどから桜が俺の隣でそう言いながら俺の方を掴んでいるがコレはどういう事何だろうか…
「…ん?…あ、渉。勝手でスマンが答える質問は後一つでいいか?時間がヤバい」
そんな状況の中、叶が一二三のドローンに近づいたかと思うとそう言い出した。
俺はそれを聞くと自分のスマホを取り出して時間を確認した。そしてスマホの画面に映る時間は13時55分…なるほど確かにこの時間だったら後一つくらいしか答えられない。
「本当だ。一二三、今の段階で渉が答えても大丈夫なコメントはある?」
俺の隣にいた桜も俺のスマホの時間を見たのか検閲中の一二三に声をかけた。
すると一二三は無表情でこちらを振り向く。
「…一つある。だけど渉が答えるかは微妙、正直配信者でも無い渉に聞いていい質問なのか分からない」
一二三はそう言うと俺を見た。俺は一二三がその質問を読んでくれてと目で訴えていたのを理解すると一二三の近くまで歩き、その質問が映し出されているドローンの質問を見た。
「えっと…『どうしてダンジョンでモンスターと戦うのですか?貴方のその規格外のスキルがあれば無理に自分もモンスターと戦わすにパーティの後方支援に回った方がいいと思います。
更に言えば別にダンジョンではなく荷物運搬系の会社やギルド関連の会社など様々な職種に絶対に必要とされるスキルがあるのに何故死亡する確率が極端に高いダンジョンでそのスキルを使っているのですか?ダンジョンではない安全な所でそのスキルを有効活用しようとは思わなかったのですか?自分はどうしてもそこが理解できません。教えてください』…か…」
俺が質問を読み上げると一二三が更に俺を見てくる。なるほど、つまりこの質問をした人は…
「俺に息をするなと言う事?」
「…そこまでの事なの?」
「あ、なんか既視感がある」
俺が真顔でそう言うとスグに一二三からツッコミが飛んできた。
更に叶は何かを思い出したのか空を見上げて遠い目をしていた。
…しかし、この質問は非常にいい質問だ。何せこれから禁層に向かう際の意気込みをかねて返答できそうだからだ。
俺はそう考えると、その場で身だしなみを整えてからドローンの前に改めて立つ。その行動を見た一二三は何かを感じたのか屈みながらその場を離れてくれた。
「…まあ、この質問には答えるよ。確かにこの答えには何時もなら『俺は狩りに狂ってるレベルの狩り大好き人間だからそうしてる』って言うんだが…今回はそれは無しだな、キチンと答えるよ。
俺が何故ダンジョンで狩りをするのか、それは俺にはどうしても叶えたい『2つの夢』があるからだ」
俺が真剣な顔でそう言うと、周りの三人の雰囲気が変わったのを肌で感じた。
俺はそれを感じつつ話を続ける。
「一つ目の夢、それは『俺が作る物で自分でモンスターを狩りたい、そしていつか一般販売して俺の装備で実際にモンスター狩ってもらいたい』だ。
俺はモンスターと戦える物を作れる、だが作れるだけじゃダメだ。キチンと使ってトライ&エラーをしないと本当に完成したとは言えないし、何より武器の消耗具合や耐久性テストをしたり、倒したモンスターでどう強化する?もしくは何かを作るのに使う?そう考えたりするのが俺は好きなんだ、だから自分で作った物を使って狩りをするのは絶対にやめられない。
そして、そうやって自分が試行錯誤した物を他の人にも使ってもらいたい。そして自分では気づかなかった所を指摘してもらったり強化のアドバイスとかを貰いたい。
俺の作る物は危険な奴以外は皆にも是非使ってもらいたい、そんな夢があるんだよ」
「…という事はお前は自分の装備を一般販売する気はあるんだな?」
「うん、あるよ。…でも、俺のErrorスキル以外で俺の装備を代わりに製作したり整備、修理などができる所は今はどこにも無い。
故にまだこれは夢だ、いつかは販売してみたいね」
俺が夢を語り、叶の問いにそう答えるとドローンのコメントが爆発的に早く流れ始める。
まあ、ぶっちゃけ俺だけが数々の名作狩りゲーの装備を使うのは流石にきまずい。元々狩りゲーの武器は皆が憧れるようなデザインが多いから俺だけではなく皆に使ってもらいたい。
だから作るのが比較的に簡単な装備…例えばチョッパーやボーンククリとかを一般販売したりして皆で狩りをしている所も見たいし実際に一緒に狩りをしたい、これは俺の本音であり夢でもある。
「んで、二つ目の夢だが…笑うなよ?」
俺がそう言うと流れていたコメントも止まる。
俺はそれを見て一度息を吸ってからいい始める。
「俺の二つ目の夢はな…
『いつの日か、俺がダンジョンで体験した全てを詰め込んだゲームを…本格的なモンスターを狩猟するゲーム…【狩りゲー】を作りたい』、これが俺の二つ目の夢であり俺の全てをかけてでも絶対に叶えたい夢なんだ」
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