第117話
「…すまん、話の途中だがギルドから電話がきた。でていいか?」
「え?ギルドから電話だって??」
「…あ、そういえば専用のホットラインを持っているんだったね」
「いいんじゃない?まだ会話中でもあり食事中でもあるけど」パクパクッ
俺が皆にスマホに表示された画面を見せると叶は不思議そうな顔を浮かべ、桜は俺が前話した事を思い出し、一二三は電話に出でもいいといいながらビーフシチューをまた食べ始めた。
「…ありがとう、少し待っていてくれ」
俺はそう言うと立ち上がり皆から少し離れた所に移動してから電話に出た。
「もしもし」
《こんばんは、初めまして。私はダンジョンギルド本部所属する『 渡辺 香織 』と申します。
今回から正式に渉様のホットラインは基本この私が対応する事になりましたので今後とも宜しくお願いします》
俺が電話に出ると、ハキハキとした女性の声が電話にから聞こえてくる。
「はあ…それでその渡辺さんは今回はどういったご用件で電話を?」
《その件なんですが…渉様、以前ホットラインに関する説明の際に我々があなた様のスマホに直接インストールさせてもらいましたアプリは消していませんよね?》
電話越しに俺はそう言われた。確かに以前俺専用のホットラインに関する説明の際に「ホットライン用のギルド専用アプリを入れるからスマホを貸してくれ」と言われてスマホを渡した記憶がある。
その後、画面に見慣れないアイコンのアプリがあったのも思い出した。
「はい、消していませんが…」
《なら、失礼ですがお仲間の三人の誰かから配信用ドローンをお借りしてもらってもよろしいでしょうか?今回お電話させてもらいました件をお話しする為に必要な事ですので》
「…はい?」
アプリは消していない事を話すと、また不思議な事を言われてしまった。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「ありがとう、桜。ドローンを貸してくれて」
「別にいいよ。このくらい」
俺は電話を一旦切り皆の所に戻り事情を説明した。
すると桜がドローンを貸してくれる事になり、現在桜のドローンに俺のスマホを装着する所だ。
「しっかしよ、何でドローンが必要なんだ?渉は配信をする為の専用アプリを持っていないよな?」
「分からない。全くの謎」
そして食事を終えた叶と一二三も不思議そうに俺の行動を見ていた。
基本ライブ配信する為のドローンは専用アプリがないとその機能をほぼ使えない、できてドローンの内臓バッテリーで装置されたしたスマホに充電できるくらいだ。
「まあ、ギルドの方からこうしてくれと言ってきたんだ。何か意図があるんだろ?」
俺は2人の言葉にそう答えながらスマホをドローンに装着した。そして装着たら何故が俺のスマホに入っていたギルドがいれたアプリが勝手に起動。その後スマホの画面に謎のプログラムの文が大量に流れて、1分とかからず何故がドローンの羽が動き出して飛び始めた。
そして…
《…〇〇社製ドローンとスマホの同期を確認、同時にアプリ起動を確認、アプリを経由してパソコンと同期を実行…完了。
スマホのスピーカー、ドローンの魚眼カメラ及び飛行機能をアプリと同期を実行…完了。
ダンジョンの階層による通信の誤差を検知、自動修正プログラム起動…修正完了。
全確認項目の最終チェック…完了。
渉様、お手数をおかけして申し訳ありません。そして皆さんはじめまして、私は渉様のホットラインの専用担当の渡辺と申します。以後お見知りおきを》
スマホのスピーカーから電話越しに聞こえてきた女性の声がしたかと思うとスマホの画面が切り替わり、そこには20代前半だと思われる小麦色の肌をし八重歯が特徴的なボブカットの女性がスーツを着てヘッドセットをつけた状態で座っている画面が映し出された。
「…え、何これ知らない」
俺は目の前で起きた事にびっくりし…いや、この場の全員が驚いていた。
《驚かれるのも無理はありません、渉様のスマホにインストールさせてもらいましたアプリは一般のアプリとは違う特別製なんです。
そのアプリはスマホに入れていただけるだけでアプリを起動せずとも我々とのホットラインでの通話の盗聴を防いだりホットラインでの電話の際にどれだけ回線が不安定な場合でも特殊な方法をもちいて確実に我々と連絡が取れる機能があります。
その他にもこのドローンみたいに市販されていれる配信機能が搭載されたドローンを使って頂ければアプリを経由して我々がそのドローンを操作、そしてこの様にドローン越しではありませがこうやって皆さんと会話をする事も可能です。
その他の幾つかの機能も搭載されていますがそれはまた後日質問していただけたら全てお答えし致します》
そう言うと渡辺さんは画面越しではあるがお辞儀をした。
…と言うか、このアプリを入れた際にこういう機能がある事は説明して欲しかった。本当に俺は何も知らなかったから本気でびっくりしてしまった。
「…取り敢えず話をしてもらってもいいですか?皆にも関係のある話なんですよね?」
俺が何とかそう言うと、画面越しで渡辺さんが頭を上げる。
《分かりました…では、まずは禁層に行く為のポータへの到着おめでとうございます。我々ダンジョンギルドとしても若い世代が力をつけてくれる事を大変嬉しく思っております》
渡辺さんはそう言うと、今度は困ったような顔をする。
《ですが…貴方達の今回のダンジョン攻略に対して我々にも想定外な事態が起きてしまいまして…
誠にすみませんが、禁層を攻略するのを3日ほど遅らせる事は可能でしょうか?》
そしてそのままとんでもない事を聞いてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます