第31話 修正版
~夜 自宅マンション 自室~
あの後に叶と話し合ったが取り敢えず現状維持で様子を見る話しで落ち着いた。
そもそもダンジョンでは素顔をさらしているが普段は完全に陰キャスタイルで顔をさらしてない。
叶曰く『お前はマジで顔を隠していたら筋肉を見るまで完全に陰キャなんだから別にばれないっしょ』らしい。ホントかよ…
まあ、そんな理由だが今は騒いでも何もできないので信じるしかない。
「取り敢えず今はコイツだな」
俺はそう言いながらスマホを操作してあるサイトにアクセスする。
「さて、初めて依頼を受けるがどれにしようかなー」
そう、俺は依頼を受けるためギルドのサイトにアクセスして依頼の項目を見る事にしたのだ。
依頼は自分で選べるが中にはジョブが格闘家限定とか女性限定とか武器が槍の人限定とかがあるため真剣に見て選ばなきゃならない。
それに依頼の内容が激やばなのに報酬がスズメの涙の依頼もちらほらあるので気を付けて依頼内容を見ないと損をするのだ、油断はできない。
「『女性限定 27歳男性1人との臨時パーティ依頼(集合場所 男性自宅) (枠) 4人』…なんか闇を感じる、『男性限定 某会社で製作された自作ポーション(仮)の治験依頼 (枠) 35人』…企業の闇しかない、『12歳~15歳男性限定 平均35歳女性5人との臨時パーティ依頼(ダンジョンで連泊予定 3日)(枠) 1人』…間違いなく闇だ。
ってか、こんなのばっかだなおい⁉」
話では依頼は大体2割がヤバい依頼だから注意するように学校の訓練で習ったが予想以上だ。なんだこの闇しか感じない依頼の数々は、見た感じ全体で470件の依頼があったんだが、その内の6割が闇しかない依頼だぞ!?
「確か依頼は枠が埋まると消える為早いもん勝ちと訓練で言ってはいたがここまで厳しかったとは…!?」
どうやら俺はまともな依頼がほとんど取られたタイミングでサイトに来たようだ。運が悪い。
「仕方ねぇ、地道に探すか…」
俺はそう言いながらベットに寝転んでスマホでサイトを見ていった。
~しばらくして~
「『条件なし 自社の防具の耐久テスト 枠 複数』か、キープだな。『男性限定 20歳男性と一緒にダンジョンの人気のない森でキノコ狩り 枠 1人』…何か違和感があるから駄目だ、『20歳~24歳限定 20歳男性(人気漫画家 防具と武器無し スケッチブック持参)を連れてヴェロルを20体ほど一人で討伐&森のキノコをその場で実食 枠 0人』って何だこの依頼!しかも誰が受けたこの依頼!?」
ツッコミたい依頼がちらほらあったがまともな依頼も少ないがあった。
それをキープして他の依頼を見ていく、すでに460件ぐらい見ているがキープした依頼が4件とか…
「マジで依頼を受けるタイミングが悪すぎた…ん?何だこれ?」
おれがそう言いながら見たのは463件目の依頼だ。
『条件なし 依頼は詳細確認 (枠) 詳細を確認』
文章的にそこはかとなく臭い、しかし闇は感じない。むしろ…
「何だ…この依頼…何か惹かれてしまう…」
俺はそう言いながら詳細を確認するために依頼をタップして依頼の詳細を画面に映す。
「これは…」
~数十分後~
「……」
結論から言おう、俺は詳細を見た依頼を受けた。机においたスマホ画面でも依頼受諾の画面が写っている。
きちんと詳細を確認した、その上で受けた…受けたんだ…
「遺書…必要だな…我ながらアホだな俺…」
依頼の中にはとんでもない依頼がある、そう学んだ。しかし俺は最初の依頼でそのとんでもない依頼に自ら突っ込んだのだ、我ながらアホだ。
「…でも、後悔はない」
正直依頼内容を見て本気でやってみたい、自分の力を試してみたいと思ったんだ。後悔は無いと断言できる。
俺はそう言いながら自室の壁を叩き拠点を展開する、そして部屋着のまま拠点に入ったのだ。
「時間がない、この1年の全てを使って準備しないと…!」
俺がそう言いながら歩く。そして机には俺が持っていくのを忘れたスマホがまだ画面を映していた。
『 《依頼受諾》
NO.463
依頼条件 条件なし
依頼 《旧》歌舞伎座内ダンジョン 調査
依頼人 《仮》歌舞伎座 代表取締役兼歌舞伎界会長 大神 大吾
詳細
《旧》歌舞伎座内ダンジョンは《特殊》ダンジョンになりますので命の保証がありません、ご了承ください。
本依頼を受領後、数日後に依頼人から連絡がありますので依頼の詳細はそこでご確認のほどをよろしくお願いします。
依頼料 依頼人との交渉次第
依頼枠
この依頼を11月25日まで掲載します、その後依頼人が連絡をして受けてもらう人を決める形になりますので受けられない可能性がありますのでご了承ください。 』
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