第17話

ピッ


「荷物はこちらです、鍵は今外させてもらいました。

初めての方なので施設の説明をさせてもらいますね。

更衣室は右側の壁に青い暖簾の掛かっている両開きの扉の中になります、A~Gの7部屋ありまして全ての部屋にロッカーがあります。ロッカーにはカードリーダーが付いていますのでそちらに許可書をかざしていただければ開きます。

後反対側の赤い暖簾は女性用の更衣室なので間違えないようにおねがいします。

そして購買はダンジョン近くの壁際にあります、隣にはダンジョンで取れた素材の買取所も併設されていますので帰りの際の買取はそちらにお願いします。

後こちらが使用できるロッカーの番号が書かれたレシートなのでなくさないようにお願いしますね」


某ハンバーガーショップでフィッシュバーガーを2つとMサイズのポテトを食べてから銀座駅に到着したのが大体11時30分ごろ、そこから銀座駅の中の案内板に従い地下1階に行くと目の前には空港でしか見たことない金属探知機と改札がセットになっている施設と手荷物確認の為の荷物用コンベアがセットで4台ある所に到着した。

手早く荷物検査とアタッシュケースの錠を外してもらい今回は初めての利用なので施設の仕様について出口にいた職員さんに説明をしてもらった。

因みにダンジョンには基本飲食物の持ち込みは不可の理由は簡単に言うとゴミ問題である。

ダンジョンは何故か捨ててあるゴミが自分が分解できるか、そうでないかを理解しているためダンジョンに分解できないゴミを捨てようもんなら次の日に捨てられたゴミをまとめて入り口に転移させられるのだ。

そのため基本持ち込める食べ物や飲み物はギルドが実験して分解できると判断された特殊な生分解性プラスチックを個装やトレイやスプーンに置きかえつつなるべく携帯性の良い物が販売されている。因みに抜け穴として申請さえしてしまえば俺みたいにスキットルみたいな頑丈で基本捨てないであろう物に飲み物を入れてくるのはOKであるが毎回申請して入れ物を持ち帰って洗って入れてがめんどくさいので大抵の人は購買で買ってすましたりする。

まあ、ダンジョンのモンスターの中には食べられる奴も多いため申請して鉄板とキャンプ用ガスコンロを持ち込む『水と食料は現地調達派』の猛者もいるらしい。それでも購買で売られているコップやらプラスチック製の皿やらが必要になるためそこは購買で買うらしい。


(あとこの購買もギルドの資金源の一部って言われてるもんな…)


購買には他にもそのダンジョンの浅層までだが地図が売っていたり煙玉や寝袋、果ては砥石やマッチも売っている。故に資金源の一部と言われているゆえんである。


「さて、気を取りなおして、ロッカーの番号は『C-A1ー4』か…」


俺はCと書かれた青い暖簾をくぐる、すると以外にも中は複数の大部屋になっていて廊下も広めにとってある。そして何故かエスカレーターが備え付けられていた。


(装備した状態でもぶつからない様にする配慮に感謝だね)


俺は案内表を見る。どうやらこの階には5部屋あり地下1階がAで地下2階がBで地下3階がCと最大地下5階までかかれている。つまり俺は今の階層の11号室の4番ロッカーという事だ。


「手早く行きますか」


俺は割り振られた部屋に入ると中では大人や若者、中年などが6名ほど着替えて全員若い俺を珍しそうな顔で見ていた。俺は着替えの邪魔にならない様によけながらロッカーの前に移動、許可書をかざすと説明された通りにロッカーの鍵が開く音がする。


「さてさて…」


俺はアタッシュケースを開けてから服を脱ぎだす。部屋の人たちは俺の筋肉に驚きの顔をしているが気にしない。そんな事より今は装備だ。


(まさかコレを着る事ができる日が来るなんて…!)


そう言いながらどんどん装備していく。鎖帷子からきてズボンとブーツをはく。腰に武器や閃光玉、解体用ナイフをマウントできるように改良した特製のベルトポーチを付けてTシャツとロングコートを装備、最後に各種装備を装備して最後にゴーグルで前髪をかき分けるようにセットすれば完成。


(前髪がないだけで視界が広くなるな…さて荷物を仕舞ってっと)


俺は着ていた服とアタッシュケースをロッカーに入れる。そして廊下に出ると暖簾の近くに姿見があるのを発見した。俺は急いで姿見の前に立つと今の自分の姿ににやけてる。


(武器は他作品の為違えども『Monster Hand Live』の人気装備である探索者シリーズを着ている!感動だ!!)


そう、この防具は『Monster Hand Live』における人気装備ランキングにおいて常に上位に君臨する装備、説明文には『運動性と遮音性を考えて考案された探索者の為の一品』と書かれていて皮鎧に分類される防具一式、その名も探索者シリーズパターンαである。

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