第一章 世界の常識✖️常識破りの職人=骨の主

第8話

~5年後 8月14日~


「ハァ…ハァ…」


俺の謎スキル発動からこの世界でのやりたいことを見つけてから5年が経過した。

取り敢えずあの後に何とか拠点を仕舞うことに成功して父さんにはスキルの事がバレなかった。

このスキルは確かに便利そうだが何かヤバいのがあるかもしれないからスキルの事が分かるまで父さんを巻き込まないようと考えたからだ。

この5年、ダンジョンに潜るための肉体改造と武器や防具などの道具の制作をしつつこの謎スキルを検証していった。

まずこの世界にダンジョンが出現したのが1900年代、そのため人類種もダンジョンに適応しようと努力やサラブレットみたいに血の配合をしまくったので前の世界よりも数段肉体の基本スペックが高い。

そのため5歳から食事管理で体調管理をしランニングでスタミナ強化&ジャンピングスクワットで瞬発力強化、拠点内にネットなどを参考にして鍛冶の練習がてらに手作りジム機材を作り、そして拠点内に俺専用のジムもどきを設置してインナーマッスルなどを含めたオリジナル筋トレで来る日のために肉体を鍛えていった。

正直この5年間、父さんの『筋トレ』のスキルが欲しいと本気で思ったよ、馬鹿にしてごめん。

次に『湖岸の古びた狩人の拠点』なのだが前の筋トレの道具の件で少し触れたが何と空間の増設が出来たのだ。

最初のダンベルを作った時に最初の4つの扉のほかに1つ扉が光と共に出現、手元のダンベルが何故が消え恐る恐る扉の中を確認したらランタンや窓の光源で明るい部屋の真ん中にポツンとダンベルが置かれていたのだ。その次の日に確認したら扉の色も黒色に変わり(トレーニング)のネームプレートが付いていた、そのため俺のスキル内の部屋が増設が可能なのが判明したのだ。

後、誕生日プレゼントのバッテリー内蔵の14インチTVやジュースなどの持ち込みやスキル内で作った薬や道具などは持ち出せた。ただしあの2冊の設計図や湖の水、拠点に生えている雑草は持ち出せなかった、しかし設計図を写した紙や写真は持ち出し可能と持ち出し不可の判定のラインがいまだ理解が出来ないでいる。

因みにあのスキル内は時間が現実世界とリンクしているらしいく太陽も確認した。だが四季も天気もないらしく何時も適温の気温でいつも快晴、おかげで汚れた服などを洗って干しておけるのでそこは感謝している。

後スキルの発動条件も判明した、どうやら俺が『狩りがしたい』と思う事と壁か地面に衝撃を与える事。

つまりあの時は頭を壁に打ち付けていたので壁に衝撃を与えていたと判定されていたらしく更にその時に『狩りがしたい』と心から思ったからスキルが発動したという状況だった、そしてスキルを仕舞う時も拠点から出たその時点で霧が晴れるみたいに消えるためそこは楽でよかったと思う。

因みに発動する条件の衝撃は検証した結果腕で軽く押す位か足で軽く足踏みする位でいいらしく最初の頭打ちはマジでやり過ぎだった。


「ハァ…ハァ…くっ!熱い!!山なのに熱い!!」


最後に武器や防具などの道具の制作についてだがその前に今の状況を説明したい。

今俺は近所の山に登っている、因みにこれは筋トレでもなく登山でもない。服装もTシャツにジーパンとスニーカーで登山を完全に舐めているスタイルだ。

それなのに何故山を登っているのか?それは武器や防具などの道具の制作に関わってくる。


「ハァ…噂が確かなら…ハァ…ここら辺なんだが…」


そもそも俺は道具を作ろうにも材料がなかった。

材料を買おうにも当時5歳児の俺に纏まった材料なんて売ってくれる所もお金も無い、だが俺はあきらめなかった。

ネット検索や奥さん方の噂を聞きまくり、そして見つけたのだ。無料で大量の材料が手に入る方法を。


「ハァ…ハァ…ッ!?よし、見つけた!!」


山を登り始めて数十分後、俺は目の前に広がっている光景に顔がほころんだ。


「冷蔵庫にテレビに自転車!それにあれは工業用モーターに原付!宝の山じゃん!!」


そう、俺が探していたのは山に違法投棄された産業廃棄物や家電などのスクラップなどであったのだ。

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