第7話
『Monster Hand Live』は俺の前の世界で初めて狩りゲーと言うジャンルを生み出した作品であり原点にして頂点、巨大なモンスター相手に魔法や銃などでは無く大剣や弓などの武器や薬草や煙玉などの道具で原始的な狩りを楽しむ日本が誇る作品だ。
この作品はパソコンやゲーム機でもマルチができるため敷居が低く、子供でもやり始めることのできるのが魅力的であり防具や武器なども原始的であるが男心を引き付けてやまないそんな作品である。
『people's redemption 〜罪を狩る者達〜』はアメリカの大手企業が巨額の資金を投じて作ったパソコン限定の狩りゲーでありパソコンクラッシャーの異名を持つ作品。
ゲーム本体のデータ量だけでも驚異の760GB、更にリリースされた年から半年ごとに発表される大型DLCはまさかの平均140GB越えを約束された驚異の変態仕様。
ゲームを始めると物語性や武器や服装のグラフィック、物理エンジンが変態レベルの調整がされていたり敵のグラフィックの再現度がリアルすぎる。
特にヤバいのがキャラクリと武器でありキャラクリ時の組み合わせはもはや兆を超える、キャラクリ時の声だけで90種類もありもはや狂気。
そして武器、このゲームは属性とか武器の初期値の違いはなく初期武器であっても武器を強化していけばラスボスでも狩れるシステムでありクリエイター曰く
「思い入れがある武器で狩り続けて欲しい」
とコメントしている。ただし全ての武器がまさかのモーション被りがなく武器一つ一つ、基本の動きまでまさかの被りなしの固有のモーションを採用。しかも武器もショップで買える奴やクエスト報酬などを合わせるとまさかの120種類、しかもDLCを含めるととんでもない数字になる。
マルチにも対応して物語もまさかのモブを含める全てのキャラにフルボイスを与えると言う豪華ぶり、だがそのためパソコンでしか遊べない。
遊べたにしてもハードディスクやSSDの増設、グラフィックボードを常に最新の物に交換しなくてはならなくて更にCPUの熱を気にしながらやらないとマジでパソコンがお釈迦になる作品だ。
「…」
そんな作品達の名前が書かれた本、そんな物を読まないと言う選択肢は俺には無い。
俺は急いで六法全書並みの厚さを誇る二冊の本を両手に持ちソファーに迷うことなくダイブ、ランタンの明かりだけで熟読を開始した。
〰︎約2時間後〜
「おいおい、マジかよ。これが本当なら最高なんだが!!」
俺は興奮する気持ちが抑えられなかった
「『Monster Hand Live』と『people's redemption 〜罪を狩る者達〜』の二冊、これ登場する全ての武器や防具、薬品や罠とか含めた全ての設計図じゃないか!?」
そう、この二冊はそれぞれの作品に登場する物の設計図やレシピだった。つまり…
「狩りゲーの武器とか道具とか…もしかしたら作れるんじゃね?」
俺はそう思う。しかし…
「いや、無理か。誰がこれを作るんだよ。レシピや設計図があっても作る事ができるか分からないじゃん」
正直に言おう、今の俺にはコレを作れるコネも場所も無い。
「でも…諦め切れないよな…ふぁ!?」
俺がつぶやくと同時に後ろから光が溢れてきた。
「な…何!?何事!?!?」
俺が急いで振り向くと後ろの扉の内三つが光を放つ。そして光が治ると同時にそれぞれの扉が赤、白、緑に変わる。そしてネームプレートが付いていてそれぞれ
赤い扉『鍛冶 精密機器』
白い扉『製薬 検査』
緑の扉『裁縫 製糸』
と書いてある。
「おいおいおい、マジかよ!都合が良すぎるぞコレ!!」
あの扉の中にはおそらくネームプレートに書かれた通りのものが作れる環境がある、何故か俺は直感で理解できた。
「…うし、やってやろうじゃん!」
俺は今の状況を整理して一つの決意を固める。俺のジョブは『職人』でありオールマイティな制作が可能、しかも物作りに最適な環境に設計図も手元にある。
「狩りゲーの武器や道具、俺が再現してやるよ!」
俺は固く決意する。この世界で狩りゲーの武器や道具の再現をする事を。
しかし…
「…あ、材料どうしよう」
どうやら俺の決意はすぐに暗礁に乗り上げたみたいだ。
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