第39話 ミノタウロス1
ダンジョンの5階層でミノタウロスの肉を集めてくる依頼を受けた。20個となると1つの塊が10kgだとしたら200kgになる。普通に考えると運べないが、俺の【アイテムボックス】やリリーのマジックポーチを考えたら問題はない……
「あ、カタリーナさんにマジックポーチもらうの忘れてた。ま、いっか無いなら無いでも全く問題ないし……」
「そうね、お母様のことだから宿にでも届けさせてるんじゃない?」
確かにそうかもしれない、今となってはどうしようもないのでダンジョンに向かうことにする。ギルドの職員からギルド証を返してもらいダンジョンに向かった。今日も二人仲良くジョギングだ!前回と同じようなペースで走ったので30分程度でダンジョンに到着した。
1階の石柱に触れて3階に向かう。リリーに聞いたが次の石柱は5階にあるそうだ。3階はオークゾーンのでリリーが歩くと勝手にオークが群がってくる。4階に下りる階段に向けて歩いていくが5分おきくらいでオークが現れる。
「相変わらず大量にいるな、他の冒険者も偶に見かけるが………圧倒的にオークの方が多いのはうんざりするな……」
「仕方がないわよ、女性がいるとどうしてもそこに集まってくるからね、今のところ他の冒険者グループに女性がいないようだから、私に集まってくるんでしょ?」
「簡単に倒せるし、金になるから良いんだけど……こうも多いとね……」
特に危なげなくオークを倒していっている。前回と同じようにオークがリリーに気を取られている間に、俺が膝をつぶして動けなくし、リリーがとどめを刺している。
「何匹倒した?」
「さぁ?50匹くらいじゃない?そろそろ下に降りる階段だけど……」
「ホモークさえ出なければ何でも良いよ……」
あいつさえ出なければ俺にとっては膝を潰すだけの簡単なお仕事なので気にしない。しばらく歩いていると4階に降りる階段にたどり着いた。
「ここよ、オークが来ても面倒だから、さっさと降りちゃいましょ」
「そうだな……」
4階に降りてみた。構造的には3階と同じような構造だ。少し天井が高くなってる気がする。
「前にも言ったけど4階はバットがでるわ。でも落とすアイテムが蝙蝠の牙と魔石だけだから稼ぎが少ないのよ、襲ってこない限り無視して進むわ」
「わかった。無視するのは良いけどバットはどこにいるんだ?」
「基本的には天井にぶら下がってるわ。よっぽど飢えたやつ以外は下を通っても襲ってこないから無視ね。倒したければ石でも当てれば襲ってくるわよ」
なるほどね、稼ぎが少なくて襲ってこないなら無視して進むに限るな、1匹くらいは倒してみたいが……
「じゃぁ、走るわよ!」
「了解、道は任せる」
リリーの後について走り始めた。この階層は稼ぎが少ないのが知られているようで、冒険者の数も少なくたまにバットと戦っているのを見かける程度だ。
「こっちに向かってくるバットがいるわね、羽を切るから止めをお願い。」
「わかった任せてくれ」
リリーは走りながら剣を抜くと、飛んできたバットに向かって振るった。バットは避けようと軌道を変えたが間に合わず片方の羽が切り落とされた。地面に落ちたので俺も剣を抜いて止めを刺す。前に【解析】……
名前:
種族:バット(雄)
ランク:D
レベル:12
ステータス
STR:50
VIT:80
INT:10
DEX:80
AGI:90
LUK:10
魔法:なし
スキル:【飛翔】【吸血】
Dランクではあるが弱いな……スピードが少々早いが特に目立ったステータスではない。地面に落ちてもがいているので胴体に剣を刺した。リリーの言った通り牙と魔石を残して消えた。
「この小さな牙は何に使うんだ?」
「鏃に使うそうよ、鉄の鏃と同じくらいの強度があるみたいね」
「へぇ、それなりに硬いんだな。いくらで売れるんだ?」
「300Gよ、弓を使う冒険者はここまで来て何十匹も倒して自分で矢を作るみたい。天井にぶら下がっているバットを狙い撃ち出来るから、楽して鏃を集めることが出来るみたいね」
確かに動かない的なわけだから、弓使いなら効率よく狩れるのかもしれないな……普通の冒険者にしてみれば稼ぎが少ないわ、倒すのにわざわざ遠距離攻撃をしないといけないわで面倒だな……
「それじゃ、いくわよ!」
「だな、さっさと次の階に行こう。」
再びリリーと共に走り始める。時々天井にぶら下がっているバットを見かけるが動きそうにもないので無視する。しばらく走っていると下に降りる階段が見えてきた。
「ついたわね、次の階はミノタウロスが出るけど、ほとんどの敵がコボルトなのよね……雑魚で倒すのは簡単なんだけど、量が多いから面倒なのよ」
「量が多いのは確かに面倒だな……効率よく倒す方法はあるの?」
「そうね、少数なら剣で倒して、4~5匹以上なら魔法でまとめて倒すのが早いわね、だいたい2~3匹で行動してることが多いから剣で倒すことになると思うけど……」
とりあえずやってみない事にはわからないので下に降りてみる。1階や3階と同じような広場に出たので石柱に触れておく。
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