第15話 初めてのダンジョン1
翌朝目が覚めると窓から朝日が差し込んでいる。昨日は気にならかったが、この窓はガラスなのか?【解析】してみる。
〔板スライム液:スライムの粘液に薬剤を混ぜて硬化させたもの。透明度は低いが丈夫〕
スライムでした。この世界にガラスの技術はないのか?いや、庶民が使うには値段が高すぎるだけかもしれない。それに板ガラスを作るには高い技術が必要だったはず。スライムの情報は一般常識にもなかったから都市部のみで使われてる技術なのかもしれないな
さて、そのまま出掛けるつもりだし、装備を付けてしまおう。えっと【アイテムボックス】の中に全部しまったんだっけ?いちいち出して着るのが面倒だな………
『【アイテムボックス】の自動装備が発動します。動かないでください。』
!?なんだ?自動装備?動かないでって言うが動けねぇよ……
『装備が完了しました。』
すべての装備が装着された。なにこれ?便利じゃん。変身機能?良いねぇ~、もしかして服の脱着が自由なの?あ、でも昨日外した調整ベルトはそのままだ。
「てことは、ちゃんと着た状態から収納したら問題なく脱着できるって事か?」
物は試しだ。装備品を完全に装着してから収納してみた。装着した装備が全て収納された。革のブーツもしまわれてしまったが除外も可能なのか?それからリリーが来るまで自動装着をいろいろ実験してみた。結果から言うとかなり自由に脱着が可能だ。もちろん全裸パージも可能だ!しないけど……男の全裸パージ…誰得やねん!
コン、コン、コン、コン
「アル、起きている?リーゼロッテよ」
「はーい、起きてるよ、ちょっと待って」
全裸パージ……じゃなくて装備装着をしてと、これで準備完了だな
「お待たせ、食事をしたらすぐ出るだろ?」
「そうね、出来たらアルの2~3日分の宿代を稼ぎたいわね」
下に降りながら今日の相談をする。食堂の席に着くと朝食が運ばれてきた。パンとスープがあり、ハムと野菜が皿に乗っている。まさしく朝食って感じだな、卵がないのが残念ではあるが
「「いただきます」」
二人同時に挨拶をして食べ始めた。パンは黒パンで少し堅いが特に問題はない、普通に美味いな全て食べ終わり。
「「ごちそうさまでした」」
リリーは俺に合わせてくれているようだ。なんて良い娘なんだろうか、昨日の午後からどんどん距離感が近くなってる気がする。いろんな意味でね
「どうする?草原でラビットとウルフ?それともダンジョンに行ってみる?二人なら3階か5階あたりでかなり稼げると思うわよ?(アルの収納もあるしね)」
「そうだなぁ、俺はダンジョンに行ったことがないけど大丈夫なのか?」
「アルの実力なら問題無いわよ、今日は私も戦闘に参加するから。それに一人で5階まで行ったことがあるけど大丈夫だったわよ?荷物があまり持てないから稼ぎは少なかったけどね」
「なら行ってみるか、どうやって行くんだ?昨日のギルドの話からすると馬車があるようだけど……」
「そうね、馬車に乗っても良いけど、私がアルと一緒に乗ると面倒になりそうじゃない?走っても1時間くらいで着くから走っていきましょ」
え?走るの?1時間も走ったら俺ぶっ倒れるよ?でもリリーが走れるって言ってるんだから大丈夫なのかな?確かに地球の頃より体力はありそうな気がするけど……
「わかった、昼めしを屋台で買って良いか?途中で腹が減りそうだし」
「いいわよ、私、屋台での買い食いとかあんまりしないから楽しみだわ」
ですよね~お嬢様ですからね~串焼きなんて齧りませんよね~
「なに?意外なの?そんなにガサツに見えるかしら?」
「そんな事ないよ、屋台料理を食べるのも経験だよ」
『スキル【
ん?【
〔
やーん、詐欺師一直線!自重しないと!大通りに出てダンジョンがある門の方へ歩いていく。昨日とは逆方面だな、確か入ってきた門が南門だから、北門に向かってるのか、そこそこ屋台が出ているので適当に選んで串焼きを10本購入した。もちろん俺持ちだ。残金ヤバス1,400G!
北門につくと馬車が何台か集まっており、冒険者たちでにぎわっている。あれがダンジョンに行く馬車か、むっさい男たちでギュゥギュゥ詰めだ。あれに乗るのも遠慮したいし、リリーをあそこに詰め込みたくない。
「一緒に乗るとかの前に、あれに乗るは嫌じゃね?」
「そう?慣れよ?それに後半の便は比較的空いてるから問題無いわよ?でも今日は走って行くって決めたんだから走るわよ!ついてきなさい」
「うーすっ」
リリーの後ろについて走り出した。てか?結構スピード出てね?マラソン選手並みのスピードな気もするけど……10分ほど走ったが全然息が上がっていない。リリーのペースに余裕でついていけてる。てかこれって馬車より早くね?さっきから何台か追い抜いてますけど……
30分ほど走ったら目的地に着いたようだ。あれ?1時間とか言ってなかった?早く着いたのはうれしいけど……大きな建物が建っており扉の傍に衛兵らしき人が二人立っていた。
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