第3話

 酒も何杯かはいってきたので、さて皆で、おいしい肉と野菜を食べるぞという意気込みで目をギラギラさせた。数分経つと肉の焼ける音が食欲をそそり皆の期待はさらに高まった。しかし肉は焼けるから燃えるに発展し煙がすさまじい勢いで出てきた。それに伴い異様な匂いが部屋にあふれてきた。食肉を焼く匂いではなく動物の匂いになった。そのころ鍋のすっぽんも怪しい音をたてていた。皆、とても部屋にいられないので表に飛び出すと囲炉裏の消火活動に走った。

窓を開けて煙が排気されるのを待つと3人は部屋に戻った。A君がすっぽんのことを思い出し鍋に駆け寄った、恐る恐るふたを開けた。少し張り付いていたかが難無く開いた。A君は思わず引いた。鍋の中はすっぽんが溶けて鍋の形に合わせて四角くなっていた。また異様なにおいが顔をめがけて襲ってきた。鹿肉の匂いとは違いドブ臭いような経験したことのない匂いだった。2種類の匂いの波状攻撃は最早3人をその場にはいられなくしてしまった。

 A君は2人に謝るとタクシーを呼んだ。居酒屋で飲みなおそうということになり3人はその場を離れた。

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