この物語は、主人公の内面と心の葛藤を繊細に描いた恋愛物語です。
特に、いずみの心情の変化が丁寧に描かれているので、読者はその感情に共感できるでしょう。
また、記憶喪失という重いテーマにも触れられており、ミステリー要素も含んでいます。
これにより、高校生活で描かれる友情や初恋などの人間関係も青春ドラマを盛り上げる要素の一つかも知れません。
全体的には豊かな心理描写があり、恋愛小説として高い質を持っていると思います。
何故なら、ストーリーテリングの技術やキャラクターの個性、この作者の魅力が詰まった物語ではないでしょうか。
つまり小説の魅力を簡単に纏めまるならば、心温まる人間関係と恋の芽生えが繊細に描かれている作品であると感じました。そして、登場人物たちそれぞれの心理が細かく描写されており、ハルとしーちゃんのやり取りには友情などのほっこり感も見られます。
また、如月くんが交通事故に遭い記憶を失ったというエピソードには現実感があり、読者に共感を与え引き込む力があるでしょう。最後にはいずみが自分の恋心に気づくまでの流れも美しく描かれ、しっかりとした読み応えのある物語です。
構成的には、温もりのある雰囲気で物語が進行しており、読んだ人の心に温かなものを残す作品だと思います。
そんな私からのお勧め作品『初恋』是非、手に取りお読み頂けたらと思います。
【金森いずみ・情景イラスト】
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