第6話
そして、俺の生活は一変した。
要は、鍵穴がなくても触れる事さえできれば、開ける事が出来る能力だ。
盗賊の俺に、触れられぬものなど、あんまりない。
おっと、盗賊からは足を洗ったんだった。今は“教祖”だ。
宗教団体を立ち上げて、信者を獲得する。
怪しい辻説法だろうが、触れる事さえできれば、指先一つで
心の扉を開け放ち、どこの誰だろうがいきなり好感度全開!
これは気持ちいい!
信者となった者から持て囃されるし、お布施もご丁寧に置いて行ってくれる。
それを元手に、教団施設を建てた。
程々に大きい神殿を建て、法座を用意した。
ちなみに、神殿に入る際に“足を洗う”事を義務化しておいた。
世間の泥や埃を浄域に持ち込まないためと適当な事を言っておいたが、本当は俺に足を洗わせて、【開錠】を使っておくためだ。
足を洗うからには素足にならねばならず、俺は相手の肌を触り放題だ。
【開錠】で心を開放するのには、絶好のシチュエーションと言えるだろう。
人は心に鬱憤などの負の感情を溜め込む。
それを開放してやるのが俺の持つ【開錠 Lv☆】だ。
誰もが開放的な気分になり、気を緩くしてお布施まで置いて行ってくれる。
あと、酒場の娘さんもゲットした。
説法を行う法座の御殿に招き寄せ、そこで致したのだ。
教祖様のお有り難い“夜のマンツーマン説法”である。
喜んでその身を差し出してきた。
容易い。何もかもが容易い!
富も、名声も、それに女も手に入った。
全てを開け放つ、スキル【開錠 Lv☆】に感謝だ!
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