第一章登場人物、用語解説 ※読み返し用、飛ばしても問題ありません

〈登場人物〉


日魅在かみざすすむ:何かとツイてない中学2年生(不登校)。小柄で白髪多めの癖毛、人の好さそうな童顔少年。漏魔症という不治の病によって人生転落中だったが、到頭ダンジョン内で物理的に転落した。




進の家族:兄を含めた4人家族。丹本初、世界10番目の永級ダンジョン出現時に居合わせ、進を残して死亡。


ブルー・ブル:愛称は“ぶるぶるさん”。ランク8の中堅TooTuber。慕われているがパワハラ気質。


あっしぇん:ランク8の中堅TooTuber。優しげでクールだが、時に面白おにいさんになるらしい。


低級狩り:弱小ディーパーの弱みを握り、金品を脅し取る事を得意とする男。潜行課に駆け込んでも相手にされないような人間を狙う為、問題として事件化しにくい。


く~ちゃん:“くれぷすきゅ~るチャンネル”として活動する、人気美少女ダンジョン配信系TooTuber。アイドル的な人気もありつつ、万能且つ意外と血気盛んで、チャレンジ精神旺盛なのが魅力。キャッチコピーは「なんでもおまかせ!くれぷすきゅ~るチャンネル!」。




カンナ:進がダンジョンの中で出逢った存在しない筈のナニカ。非実在と言われていたモンスター、“可惜夜ナイトライダー”を自称する。正体・目的・能力一切不明。




〈用語〉


ダンジョン:牲歴元年に出現した物を始めとした特異な自然現象、とされるもの。その姿はある日突然強光を伴って開き、中からモンスターと謎のエネルギーを排出する穴。内部は階層ごとに区切られ、例外なく10層構造である。ただし内装は場所によって多様。人類の歴史のほとんどはダンジョン史と言っても過言ではない。公文書内では“特異窟”と呼ばれる。


ダンジョンの階級:小規模且つ踏破難度が低い物から順に、浅・中・深の三段階。内部のモンスターもその順に強くなる傾向にある。ただしごく稀に極大規模の物が出現し、永級と分類される事がある。これまで出現した永級は、全部で10箇所。


モンスター:ダンジョンが生む殺傷兵器。生物というカテゴリに入れていいかの議論もある。人間を食べて生きていると主張する者も居るが、証明はされていない。彼らがダンジョン内で死ぬと、コア部分を残して構造物に“回収”される。公文書内では“特異動体”と呼ばれる。


モンスターコア:文字通り、モンスターの核となる部分。モンスターは魔力で動くと推定されるが、それを結晶化させた物質、或いは魔力を生む器官として、これが存在しているのだと言われている。コアだけの状態でも、外からのエネルギーに反応して、それぞれ特有の魔力を放出し、何かの動力、或いは道具の素材として利用可能。人類のエネルギー産業、技術の発展にも貢献している。


Gグラーツ型:モンスター階級の内、1層から出現する数が多いタイプの総称。


ヴァンガード型:モンスター階級の内、2層から出現するしぶとく地を這うタイプの総称。動きが鈍い事が多い。


Lロコ型:モンスター階級の内、3層から出現するサポートタイプの総称。主に傷を治す役を担っている事が多い。


Cカプリコーン型:モンスター階級の内、6層から出現する主要戦力タイプの総称。


Dダババ型:モンスター階級の内、7層最奥部に出現する門番タイプの総称。一種の基準であり難関とされている。


Aアマゾン型:モンスター階級の内、9層のみに出現する大型タイプの総称。モンスターを生む役割を持つ事から、そのダンジョンの母、或いは女王と呼ばれている。


魔素:ダンジョン内に発生する現象。物質かどうかも不明。これがダンジョンやモンスター、魔力や魔法の素であると言われている。何故か電波も媒介してくれるので、ダンジョン内で映像通信まで出来る。


魔法陣:一定の図形に沿って魔力を流す事で、エネルギー増強等の特別な現象を起こすことが出来る技術。画数が多い程に効力が強く、且つ機能が複雑になる傾向にある。最も原始的な形は正三角形で、効果は内側の魔力、魔法効果の強化のみ。そこには敵味方の区別すらない。


隔世ラ・ポルト:ダンジョンの内外、そして階層を隔てる出入口。これ以外にダンジョンへ入る方法は見つかっていない。命を一つずつしか通さず、更に人間以外に通れた例も無いとされる。一種の魔法陣という説も。


逸失フラッグ:ダンジョンからモンスターが溢れ出る現象。これを避ける為に、如何なるダンジョンも常にモンスター数を間引いておく事が望ましい。ただし出現直後に必ず一回は起こってしまう為、フラッグゼロ回というダンジョンは存在しない。


illイリーガル:ダンジョンが起こす、常態の法則から外れた現象。或いは、通常の分類に収まらないモンスターの総称。


可惜夜ナイトライダー:とある理論から派生して生じた都市伝説的存在。illイリーガルモンスターの一つと言われるが、神や妖怪と同じ架空存在のようなもの、の筈だった。


潜行:ダンジョンに潜り、モンスター討伐やモンスターコア回収などを行う作業の事。


潜行者ディーパー:ダンジョンによって新たな能力を獲得した人間の総称。魔素から魔力を生み、それを使って魔法を成立させる事が出来る。一定以上の魔力を持っていれば肉体強化も身に着けるようになる事もあり、それまでの人類種とは隔絶した存在として見られる事が多い。一種の“超人”。狭義には「ダンジョン潜行で生計を立てる人間」という意味もある。


漏魔症候群ローマンシンドローム:ダンジョン生成光等によって発症。軽度の場合、魔力生成能力を得ながらも、溜めておく事が出来ない体質となる。重度漏魔症まで進行すると、肉体が異形化する。罹患者は俗に「ローマン」と呼ばれ、今でも恐怖や嫌悪、侮蔑の対象となっている。


漏魔症候群罹患者特別支援給付金:通称“ローシ”、漏魔症罹患者に支払われる支援手当て。漏魔症罹患者が反感を買う理由の一つになってしまっている。


漏魔症罹患者特別居住区:その名の通り、漏魔症罹患者を隔離しておく為の街区。出入りには居住区管理局通行センター職員の許可が必要。未だに残る漏魔症差別の風潮の成果物でもあり、一因でもある。


魔具:ダンジョン関係を追及する分野、魔学の理論によって作られた道具類。武器や防具、ちょっとした便利アイテムまで様々。素材にモンスターコアを使っているものや、モンスターコアを挿入する事で何らかの機能が起動する物などもある。


カートリッジ:特定の魔具用にモンスターコアをメモリ状に加工した物。スロット部に挿し込むのは同じだが、効果は極めて高くなる。そしてお値段も極めて高くなり、更に指定品以外の魔具に使うと最悪故障してしまう。


TooTubeトゥーチューブ:世界的に人気な動画配信サイト。ゲームプレイ映像や、パーティー企画、音楽等が人気だったが、現在では勢いランキング上位をほとんど潜行配信が席巻している。このサイトで活躍する人間をTooTuberトゥーチューバーと呼ぶ。収益化申請が通れば、再生数や有料メンバーの人数によって、収入を得られるようになる。


ガバカメ:隠密・偵察用途型映像記録装置、通称“ガバメントカメラ”の略称。政府からレンタル可能。ほとんどのディーパーが義務としての映像記録用に使っている。自律飛行や潜伏、各種モニタリングやネット通信、位置情報特定等の機能が揃った優れもので、これさえあれば配信だって出来る。ただし画質が粗いのはご愛嬌。


ダンジョンカメラマン:潜行を記録する人員。腕によってはガバカメより質の良い映像を撮る事が出来る。同レベルの事が出来る自律飛行機能付きカメラよりはランニングコストが安いものの、それでも一般人には届かない贅沢サービス。調査や芸術等の使い道しか見出されて来なかった。しかしダンジョン配信ブームがその状況を変える。


潜行課:防災省の管轄組織の一つであり、ダンジョン関係の案件を担当する部署。ダンジョン内での遭難やフラッグ事案などへの初動対応を行う、潜行救助隊を組織するのもここ。


丹本にほん:進が住む島国。ダンジョンを始めとした自然災害に頻繫に見舞われる立地。首都は丁都ていと


戌島いぬしまけんなえまち:世界で10例目の永級ダンジョン出現地にして、大規模くつさいの被災地。口さがなく無神経な者は「呪われた土地イヌシマ」と呼んで気味悪がる。現在でもダンジョン周辺を除き、時間が止まった廃墟ゴーストタウンのままである。


爬い廃レプタイルズ・タイルズ:深級ダンジョン。固い甲皮を持った恐竜に似たモンスター、“レプト”が出現する。「地に足を着けて進むべし」。暗く蒸し暑い洞窟内のような内装。


魔人窟イヴィル・ビル:浅級ダンジョン。人型ベースで黒ゴムような表皮、大口のみを持つ頭のモンスター、“デーモン”が出現する。「怯えた側から堕ちていく」。不衛生な中世街のような内装。


フランカ共和国:丹本から遥か西に位置する国。かつてダンジョン利権を巡って、革命と王政復古を繰り返していた血塗られた歴史があるとされる。

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