メタリア退治②

「よし、着いたぞ」


ギャラル発電所前に辿り着き、僕達に向けてそう言うヘッジさん。

ギャラル発電所は、いわゆる宇宙船のような見た目をしていて、ヘッジさん達は、その発電所の隙間から侵入することに成功したのだった。


「うわぁ.......」


そして、肝心の発電所内はというと..........ヘッジさんが言っていた通り、結晶化した人工太陽エネルギーが施設内の至る所に生えていた。


「綺麗ですね....」


結晶化した人工太陽エネルギーを見つめながら、そう呟く僕。


「ヘッジ、この結晶化した人工太陽エネルギーは再利用できないの?」

「分からない。ただ、この結晶はいずれ利用出来るかもしれないということで、今は研究機関で調べられているらしい」

「ま、こんなに生えていたら、利用したくなるわよね」


納得した様子でそう言うミミットさん。


「それで?これからどうするんだ?」

「......まとまって動くのは危険だ。だからこそ、二手に分かれて駆除を行う」

「了解!!」

「分かったッス!!」


ヘッジさんの一言によって、チーム構成としては、僕・ランドさん・ミミットさんチームと、ネモさん・ヘッジさんチーム.......という感じで分かれ、僕達は、それぞれ行動するのだった。


「それにしても..........金属を食べる生物がいるなんて、やっぱり宇宙は凄いですね」

「えぇ!?てことは.....地球には、そういう生物が居ないんスか!?」

「はい。今のところ、そういう生物は居ないですね」

「「嘘ぉ!?」」


僕の言葉に対し、とても驚くランドさんとミミットさん。

......そんなに驚くことなのか?


「嘘じゃないです。本当です」

「はぇ.....宇宙は本当に広いッスね」

「ね〜」


宇宙の広さを実感しながら、そう呟くランドさんとミミットさん。

と、そんな会話をしていた時............目の前に、結晶化した人工太陽エネルギーを食べている、真っ赤なスライムのような生物が現れた。


「お!!早速メタリアを一匹発見ッス!!」

「これがメタリア.......」


てっきり、芋虫的な生物なのかと思ってたけど...........まさか、そのメタリアがゼリーみたいにプルプルしている、スライム的な生物だとは思わなかったな。


「それじゃあ、行くッスよ〜」


そう言った後、メタリアに向けて銃を発砲するランドさん。

すると、その瞬間.....メタリアの体は吹っ飛ばされ、ベチャリと地面に落ちたかと思えば、その死体の中から、綺麗な宝石のような物が現れた。


「これは.....?」

「これはメタリアの核。要は心臓ッスね」

「この核が無いと、ちゃんと討伐したっていう証明にならないから、集めるのが面倒なのよね」


つまり.....メタリアの核を集めないと、報酬が貰えないってことか。

う〜ん、世知辛い。


「ランドさん!!奥にもメタリアが居ますよ!!」

「ゲ!?マジッスか!?」

「あらま、本当ね」


そう言うと、持っていた銃を短距離モードから長距離モードへと変える、ランドさんとミミットさん。

そして、そのまま奥に居たメタリア達を狙撃するのだった。


「ふぅ........」

「数年間放置されてただけあって、至る所にいるわね」


そう呟いた後、天井に居たメタリアを撃つミミットさん。


「それじゃ、このまま進むわよ」

「分かったッス!!」

「は、はい!!」


そのままの勢いで奥へと進み、メタリアを倒しては、核を回収していくミミットさん達。


「今のところ、メタリアは襲いかかって来ませんね」

「そもそも、メタリアは大人しい生物ッス。だから、他の生き物を襲うってことはないんスよ」

「あ、そうなんですね」


メタリアって、割と大人しい部類の生物なのか......


「でも、ここまで大繁殖していると、流石に気持ち悪いわね....」


目の前にある、大量のメタリアを遠い目で見つめながら、そう呟くミミットさん。


「ちなみに、メタリアは食べられたりは」

「無理ね」

「そもそも、メタリアの主食は金属だから、食べれたとしても、鉄臭いッスよ」


デスヨネー。


「てか、ミミットでもメタリアは食べてないんスね」

「流石の私でも、メタリアは食べないわよ!!」


ランドさんの言葉に対し、思わず、そう叫ぶミミットさん。


「ひょっとして、私のことを悪食だと思ってるの!?」

「そうッスけど?」

「酷い!!」


そう叫んだ後、ミミットさんはランドさんに対して、ポカポカ殴るのだった。


「あ、アハハ....」


その光景に、思わず苦笑いしていると...........どこからか、激しい音と、生物の鳴き声が聞こえてきた。


「.....ランドさん、ミミットさん、今のって!?」

「...........この発電所内に、メタリア以外の生物が居るってことッスね」

「全く、何で次から次へと変なのが出てくるのかしら?」


そんな言葉を口にした後、僕達は、音のした方に向かったのだった。

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