メタリア退治

メタリア退治①

ヘッジさん達は冒険者だ。

なので、よくギルドに行っては依頼を受けている。

依頼と言っても、その内容は様々で.......凶暴な宇宙生物の討伐はもちろん、植物採集や何かしらの施設の調査なども行っているのだとか。

んで、今日も、ヘッジさんはギルドから依頼を受けたらしく


「お前達、次の依頼が決まったぞ」


ギルドからアルゴナ号に帰ってきて早々に、僕達に向けてそう言った。


「おぉ!!待ってました!!」

「今回の依頼は討伐系?それとも採取系?」

「大金が入りそうな依頼だったら、ありがたいッス!!」


ヘッジの言葉を聞き、口々にそう言うネモさん達。


「今回の依頼は、ギャラル発電所跡地にいるメタリア退治。報酬は2万キャッシュだそうだ」

「「「「「2万キャッシュ!?」」」」」


ちなみに、2万キャッシュは日本円で言うところの2万円に相当する金額。

つまりは、大金なのだ。


「おいおい!?たかがメタリア退治で、何でそんな大金が動くんだよ!!」

「それは私も思った!!」


報酬金額と依頼内容に対し、そう言うネモさんとミミットさん。


「ランドさん、メタリア?って何ですか?」

「簡単に言えば、金属や鉱石を食べる厄介者ッスよ」

「なるほど.......」


ランドさんの話を聞く限りだと、メタリアって害虫みたいな存在なのか?

そう思っていたら、ヘッジさんが今回の依頼についての説明を始めた。


「ことの始まりは数週間前、十年前に放置されたギャラル発電所を処分するため、電力会社が調査団を派遣され、そこである物を発見したらしい」

「それがメタリアってこと?」

「少なくとも、半分は合っているが、半分は間違っている」

「え?」


ヘッジさんの言葉に対し、思わず、そう呟くミミットさん。


「確かに、発電所内でメタリアは発見された。だが.....問題なのは、そのメタリアが食べていた物だ」


メタリアが食べていた物......あっ。


「ひょっとして.......発電所内にあったエネルギー、ですか?」


僕がそう言うと、コクリと頷くヘッジさん。


「そうだ。正確に言えば...........した人工太陽エネルギーを食べているメタリアが発見されたため、ギャラル発電所の処分は延期になったのだが」

「その発電所内にいるメタリアが、変異している可能性があるってこと?」

「そう思えばいい」


あ、宇宙生物にも変異っていう概念があるんだ。


「それで報酬金額が高めに設定されてるってわけか」

「まぁ、企業案件だから仕方ないッスね」


冒険者の依頼にも、企業案件ってあるのか.......


「と言うわけで、これからそのギャラル発電所へと向かう」

「えぇ!?もうちょっとゆっくりしようぜ!!」

「ダメだ」

「相変わらず、ヘッジの頭は硬いわね.......」


やれやれと言った様子で、そう呟くミミットさん。


「ヘッジさん。一応、お弁当は作った方がいいですかね?」


僕はそう言うと...........ヘッジさんはしばらく考えた後


「.....出来れば、暖かい飯が食いたい」


と言った。

暖かい飯.....


「..........もしかして、僕が行く前提ですか?」


僕がそう尋ねると、サッと顔を背けるヘッジさん。

どうやら、僕について来て欲しいらしい。


「ヘッジ...............アンタって奴は....」


一方、ネモさん達はそんなヘッジさんに対し、生暖かい目で見つめていた。 


「..........分かりました。ですが、あんまり無茶はしないでくださいよ」


僕がそう言うと、ヘッジさんは背を向け......密かにガッツポーズをしていた。


「よっしゃあ!!それじゃあ準備をしようぜ!!」

「弾薬足りるかな?」

「多分、足りるッスよ」


僕がついて行くと知り、やる気が出てきたのか、そんなことを言うネモさん達。


「ところで、ギャラル発電所まではどれぐらいかかるんですか?」

「そうだな......今の距離だと、大体一日ぐらいで着くはずだ」

「...........それ、寄り道しない前提ッスか?」

「当たり前だ」


寄り道する気満々なランドさんに対し、バッサリと切り捨てるヘッジさん。

よ、容赦ねぇ!!


「ねぇねぇ。もし、依頼が完了したら.....パァーッとやらない?」


ミミットさんがそう言うと、僕を含めた全員は


「「「「それだ!!」」」」


と叫んだ。

そんなわけで、豪華なディナーを食べるため、ギャラル発電所へと向かう僕達なのだった。

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