超宇宙冷蔵庫④
「えっと...........まずは、ローパーの実を茹でないと」
そう呟いた後、水を鍋に入れる僕。
そして、予めヘッジさんから貰っていたカセットコンロ的な道具を使って、鍋の中の水を沸騰させる!!
「そういえば、ネモさん達はどうやってローパーの実を食べているんですか?」
「そうだな......基本的には、茹でてから食べることが多いな。たまに、茹でたローパーの実を凍らせて食べることもあるけどな」
凍らせて食べる......うん、何だか美味しそう。
そんな会話をしていたら、いつの間にか、鍋の中の水は沸騰していたので、その沸騰したお湯の中に、ローパーの実を入れる。
「ローパーの実の皮は、茹でると柔らかくなるって母ちゃんが言ってたッス」
「へぇ!!そうなんですね!!」
そして、ある程度茹でたら、お湯の中からローパーの実を取り出し、皮を剥いた後、ボールの中に入れて潰す!!
そこに砂糖と卵を加えて、混ぜる!!
「ミミットさん、少しお願いしたいことがあるんですが.......」
「ん?何?」
「あそこの棚にある、牛乳を取ってきて欲しいんですけど.....」
「いいわよ。その代わり、昼飯の量は多めでね」
そう言った後、乳製品の棚に登り、牛乳を持って降りるミミットさん。
「ありがとうございます!!」
「このぐらい、お安い御用よ」
ミミットさんの取ってきた牛乳と、大きめな卵をローパーの実ペーストに入れ、混ぜる。
混ぜ終わったら、卵液を鍋の中に入れ、今度は、それを2/3ぐらいの水を入れたフライパンに入れて蒸す。
「今回のは、割とスイーツっぽくなると思いますが、それでもいいですか?」
「もちろん!!OKッスよ!!」
「了解!!」
「スイーツ......」
スイーツという言葉を聞き、キラリと目を光らせるヘッジさん。
..........ひょっとして、ヘッジさんはスイーツが好きなのか?
「スイーツかぁ.....楽しみだぜ!!」
「...........あぁ」
ネモさんの言葉に対し、ヘッジさんは某司令官ポーズをしながら、そう答えるのだった。
「さてと、もうそろそろいいかな?」
そう言った後、鍋の中のプリンを見てみると..........プリンは綺麗に固まったおり、鍋を持ち上げると、プルプルと揺れるのだった。
「よし!!ローパープリンの完成だ!!」
「「「「おぉ.....!!」」」」
美味しそうにプルプルと揺れるプリンを見つめながら、そう呟くヘッジさん達。
「あ、ちなみに今回はセルフで取り分ける感じです」
「マジで!?最高じゃねぇか!!」
「取り分ける.....だとぉ!?」
セルフで取り分けると聞き、目を見開きながら、驚くヘッジさん。
「へ、ヘッジさん....?」
「......何でもない」
しかし、すぐに冷静さを取り戻したのか、ヘッジさんは僕に向けて、そう言うのだった。
「それじゃあ、お先に取り分けとくわ」
「あ!!ズルい!!私も!!」
「オイラも!!」
「...........俺も」
そんなこんなでプリンを取り分け、食べる準備万端なヘッジさん達。
「ではでは.....いただきます!!」
「「「「いただきます!!」」」」
僕の掛け声と共に、プリンを食べるヘッジさん達。
そして
「「「「「美味しい!!」」」」」
僕を含めた全員が、口を揃えてそう言った。
どうやら、ローパープリンは皆の口に合ったらしい。
「プルプルしてるけど、意外と固いんだな」
「でも、そこが良いッス!!」
「この程よい甘さが最高なのよね.......」
「.......あぁ」
夢中になってプリンを食べながら、そう言うヘッジさん達。
「うん!!甘くて濃厚で美味しい!!」
何というか..........カボチャプリンっぽい味がする!!
「ところで、【いただきます】って何だ?」
「僕の故郷である、日本っていう国でよく使われる言葉なんです。主に、食事をする前に使いうんですよ」
「へぇ!!そうなのか!!」
なるほど!!という様子でそう言うネモさん。
「ローパーが出るわ、グール虫が出るわの散々な結果だったけど、相変わらずリューセーのご飯は美味しいわ〜」
「これだけでも、頑張った甲斐はあったッスね!!」
プリンがよほど美味しかったのか、ミミットさんやランドは、そう言っていた。
「散々な目にはあったが、美味い飯が食える......か」
「......ヘッジ?」
「いや、何でもない。ただの独り言だ」
そう言った後、プリンを一口食べるヘッジさん。
こうして、僕の作ったプリンはドンドン減っていき...........あっという間に、鍋の中は空っぽになるのだった。
「あ〜、お腹いっぱい!!」
「ローパーの実を使った、こんなに美味しいスイーツが食べられるなんて...........たまには、こういう日もいいかもね」
「リューセー!!またローパーの実が手に入ったら、これを作って欲しいッス!!」
「.......だな」
一時はどうなることかと思ってけど...........無事に美味しいご飯が食べれて、良かったな。
「はい!!分かりました!!」
その後、プリンを食べ終わった僕達は、宇宙要塞ならぬ宇宙冷蔵庫を後にするのだった。
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