プロローグ②

「........え」


オウムガイそっくりの宇宙人に告げられた事実。

それは、僕が今いる場所が太陽系の外側ということだった。


「安心しろ、すぐに地球に帰してやるからな」

「ホッ.......」


どうやら、地球には帰れるらしい。


「ネモ!!そっちは大丈夫ッスか?」


ちょうどその時、僕とオウムガイ似の宇宙人の元にやって来たのは...........銃を持った、モフモフのモグラ似の宇宙人だった。


「あぁ、大丈夫だ!!それより......アイツら、地球人を拉致ってやがったぞ!!」

「はぁ!?」


オウムガイ似の宇宙人の話を聞き、憤慨するモグラ似の宇宙人。

そして、僕の存在に気がつくと


「君!!怪我は無いッスか!!あと、病気とかは貰ってないッスか!!」


勢いよく、僕の肩を掴みながら、そう言った。


「え、えっと....」

「ランド、地球人が困ってるぞ」

「あ、ゴメンッス」


オウムガイ似の宇宙人の言葉を聞き、パッと手を離すモグラ似の宇宙人。

どうやら、この人も良い人そうだ。


「そういや、お前の名前を聞いてなかったな。俺はネモ。こっちはランドだ」

「よろしくッス!!」


そう自己紹介した後、ニッと笑顔を見せる二人。


「ぼ、僕は野口流星、です」

「リューセー!!良い名前だな!!」

「そ、そうですかね....」


ネモさんに褒められ、少しだけ照れる僕。

そんなことをしていると、どこからか、何かの音がした。


『こちらミミット、宇宙船の制圧が完了したわ。そっちはどう?』


「こちらネモ、地球人らしき生命体を発見。今はランドと合流している」


『何ですって!!』


ネモさんの話を聞き、通信機越しに驚きの声を上げる女性。


『それ、アポロ条約をバッチリ違反しているじゃない!!』


「アポロ条約?」

「太陽系内の惑星と宇宙連盟が結んだ条約ッスよ。簡単に言えば.........太陽系で悪さをしないっていうお約束みたいなもんッス」

「なるほど」


『てことは......報酬が倍になるかも!!』


「お前はいつもそれだな」


呆れながら、そう言うネモさん。

..........こういう人って、宇宙にもいるんだ。


『うるさいわね!!世の中は金なのよ!!金!!』

『どうしたミミット。何かあったのか?』

『ゲ!?ヘッジ!?』

『......何だその反応は』


「あ、ヘッジも居たのか」


通信機から聞こえる男の声に対し、そう呟くネモさん。


『そうだが?』


「いや、てっきり別行動をしているのかと....」


『...........船内を移動していたら、ミミットと合流した。それだけだ』


通信機越しに、淡々と伝える男。

この人がネモさん達のリーダーなのかな?


『ところで......そっちに地球人が居るというのは本当か?』


「あぁ、本当だ。何だったら映像通信に切り替えようか?」


『......そうしてくれると助かる』


「了解!!」


そう言った後、ネモさんが通信機を操作すると...........空中に、ディスプレイらしき物が浮かび


「どうッスか?聞こえるッスか?」


『えぇ、問題なく聞こえるわよ』


そこに、猫の獣人らしき宇宙人と、体全体が岩で出来ている宇宙人の姿が映った

どうやら、この人達がミミットさんとヘッジさんらしい。


「わっ!!空中ディスプレイだ!!」


目の前にある空中ディスプレイらしき物に対し、思わず、興奮してしまう僕。


「アレ?コレってそんなに珍しいスか?」

「あ、はい。地球では、空中ディスプレイを開発し始めているところなんです」

「えぇ!?そうなんスか!?」


僕の話を聞き、驚くランドさん。


『わっ!!この子が地球人なの?何か可愛い〜』

『見た目的には、まだまだ子供..........と言ったところか』


「あの、僕27歳ですけど」


『む、そうか.......』


静かに、そう呟くヘッジさん。


「ヘッジ!!とりあえずリューセーを俺らの船に乗せても良いか?」


『あぁ、そうだな』

『後で、報酬をたんまり貰わなきゃ!!』


「相変わらずッスね〜」


やれやれといった様子で、そう呟くランドさん。


「というわけで、今から船に向かうぞ〜」


こうして、ネモさん達の船に乗ることになった僕なのだった。

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