SF飯

@marumarumarumori

プロローグ

プロローグ①

僕の名前は野口流星。

今現在、宇宙人達によって、何かしらの大きな台の上に拘束されている、可哀想な地球人ってやつだ。


「***、****?」

「******!!」

「**!?」


ダメだ、全然言葉が分からない。

何か、モニョモニョ言ってるようにしか聞こえない!!

これが宇宙人の言葉なのか...........


「***!!********!!」

「****!?」

「*!!***!!」


にしても............宇宙人って、タコ型とか、グレイとか、そんなのばっかりかと思っていたけど.......イエティみたいな宇宙人もいるんだ。

..........そもそも、イエティそのものを見てないけどね。


「****?」


てか、この宇宙人達は一体何をするために、僕を誘拐したんだろう?

手術?もしくは食べるのか?


「***!!*******!!」

「**!!*?」

「****!!」

「*!?」


そう思っていたら、俺が拘束されている部屋の中に、シェフらしき宇宙人が出てきて、早くしろと言わんばかりに怒鳴っていた。

..........どうやら、僕は調理されるらしい。

だとすれば、宇宙人達は僕をどうやって食べるかで話し合っていたのか?

言葉が通じないとはいえ、そういう話はよそでやってほしいなぁ。


「***!!**!!」

「「「「「*******!?」」」」」


そうこうしている間に、宇宙人シェフは痺れを切らしたのか......何かを叫ぶと、他の宇宙人達が慌て始めた。

多分..........そんなに揉めるのなら、俺好みの味にしてやる!!って、キレたのかもしれない。


「**!!」

「****.....***?」

「「「**!!」」」

「*.......」


アレ?宇宙人達が慌て始めたぞ?

.........ひょっとして、ここではシェフの方が立場が上なのかな?


「***!!*******、*!!」


フライ返しをバンバンと叩きながら、宇宙人シェフはそう言った後、僕の拘束を解き、大きな手で僕を服の襟を掴んで、どこかへ連れて行った。


「*......****」


僕をズリズリと引きずりながら、何かの愚痴を吐き出しながら、移動する宇宙人シェフ。

あぁ、僕はもうすぐ食べられるのか、そう覚悟をしていたら、突然、大きな衝撃に襲われ、宇宙人シェフから解放された僕は、そのまま床に落下したのだった。


「イテテ.......」


何事かと思い、起き上がると...........宇宙船内には、けたたましいサイレンが鳴り響き


「***!?」


それを聞いた宇宙人シェフは、慌ててその場から立ち去るのだった。


「何だ?」


あんなに怒鳴ってた宇宙人シェフが慌てるなんて..........一体、何が起こってるんだ?

そんなことを思っていたら


「■?」


今度は、二足歩行のオウムガイみたいな、別の宇宙人と遭遇するのだった。


「あ、えっと.......こんにちは?」


とりあえず、敵意が無いことをアピールする僕。

すると、その別の宇宙人は、僕に近づくと.....


「んぐ!?」


口の中に、固形物を突っ込んできた。

...........いや、正確には固形物だけど、食感はゼリーかも?

あと、めっちゃ美味しい。


「何これ美味しい!!」

「そうか、これは地球人の口にも合うのか」


.......ん?


「い、今、喋って」

「おぉ、翻訳ゼリーの効果が出た!!」

「ほ、翻訳ゼリー!?」


某猫型ロボットみたいなアイテムキター!!


「いや〜。大体の知的生命体の言語を翻訳できるとは聞いていたが..........まさか、地球人にも効果があるとはな」

「コレ、そんなトンデモ効果があるんですか!?」


そんな物が宇宙にあるなんて..........宇宙人の技術力って凄いなぁ。


「しっかし......まさか、イエッサン人に誘拐された末に、太陽系の外に連れて行かれるとは...............アンタも災難だな」

「........え」


えぇ!?

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