幸福論 ヒルティ
自分を律しろ。教養を高めて、自分はどういう人間でいたいのか、ちゃんと決めることだ。
仕事はいい。時間をもてあますことがないばかりか、社会とのつながりを作ることができる。
目次 問い
気になったところ コメント
基盤は、信仰と、理性だ。
ざっと見たところ、主張には、人間肯定を感じる。引用が難しいので、理解していないところはあるのだが、そこは個人の記録ということで、許して欲しい。ごめんね。
第二部は、ストア派のエピクテトスの語録になっている。どうやら、教育についての提言のようだ。ストア派哲学の内容は、人格者の育成に有用だと言っている。
教養を磨き、分別をつけ、人としての振る舞いに気を配れ、という感じ。思考と感情のコントロールを薦めている。徹底して、自己を振り返り、出来事の本質を見抜き、何事にも動じず、信念に基づいて行動するスタンスだ。
きつい。
こういう引用をする人だから、ものすごく厳しい。
長いので、全部についてコメントはしないことにする。すまぬ。
曰く、ストア派とキリスト教の共通項として、人の意志があるとしている。ストア派は、常に自分を鍛え上げる。キリスト教は、神の救いが既に世界にあふれているからこそ、人の意志によって活動することを肯定するようだ。そう読んだ。
この本では、幸せになるための手段について、述べられている。かなり、ざっくり言うと、「信仰を持つこと。知識をつけて、知識を活用して物事の本質を見極める目を持つこと。信念を持ち、それを磨き続け、よく生き続けること。自らの力を発揮し、創造的仕事を通して喜びを感じること。」
こんな感じだ。それについて、具体的な手段にも、触れている。仕事、競争における不成功、習慣、といった具合。
アラン曰く、人は有益なことを、し続けることで幸福になれると言っている。
それは何か。仕事だ。ひえー!
とは言え、あらゆる仕事のことではなく、創造と成功の喜びのある仕事を指している。
例として、主婦の手芸とか、ものにもならぬピアノとかあがっているが、それは今の時代、ちょっと合わないかもしれない。ショーペンハウアーの人生について、から、専門家にあたって、自分の力量をよく測れば、他のことにうつることもできる。何より興味のあることで、専門家がいないとなれば、先駆者として身を投じることもよいだろう。ネットでコミュニティを作れたり、コンテンツにすることもできるのだから、あらゆることに手を出して、行くところまで経験したほうがいいだろう。勇気はいるけどね。
人生を豊かにしてくれる仕事だが、仕事をするにしても、怠けず、無駄な労力をそぎおとし、習慣とすることを推奨している。
その動機の良し悪しもあって、責任感と愛情を持つことがよい動機らしい。悪いのは、野心とか生活維持のためとか、貪欲であること。
うーん。自分のやっている仕事は、ヒルティに酷評されるかもしれない。創造と成功の喜びなんて、皆無だ。ちょっとショックである。それに、ただお金のためだけにやっているので、動機についても、ヒルティからは酷評を受けそうだ。
競争については、幸福を阻むものとしている。悪と絶えず戦いながら。。。という章は、当時の現実主義という競争での勝利に重きをおいた風潮を批判している。
これは、2023年現代でも言われていることだ。最近は、競争の勝利を考えずに、豊かさを求めることがベターと訴える本も多い。
人間、やったことは、変えられない。
覆水盆に返らず。
そして、かつてやったことに似たことをやってしまうものだ。
だから、ヒルティは言う。善行の習慣をつけろ、と。
恐怖を持つな。内省して間違いに気づけ。
外的な財への執着を捨てろ。思慮ある行動を取れ。教養、愛、誠実、仕事の能力と熱意、心身の健康、ほどぼとの財、これらを求めよ。
名誉や享楽にかえて、大切にすべきは、愛である。
幸福論の後半には、幸福という題がある。
そこにおいて、ヒルティ曰く、不幸とは、幸福と共にある。
不幸を経験することで、人間の深みがますという。まじか。
信仰を持って、不幸を経験し、勇気を獲得すること。その勇気とは、真理に対する愛と正義である。
不幸は起こる理由があることを知り、不幸によって、まじめさと真理への感受性を獲得し、自己をみつめなおすことで、人間として成長できるという。
やはり、厳しい。
思うに、現実にある幸福を知るには、現実に対する勇気が必要になるということではないだろうか。
逃げちゃだめなのね。
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