第3話

まだ、ドラクエ7の話をしよう。


何が楽しかったと言えば、やはり、転職だ。

ぶっちゃけ、現実の転職なんか大嫌いだが。


当時は、プレイステーションで遊んでいた。その頃のドラクエ7の転職は、スキルを忘れない。めちゃくちゃ便利な頭だ。経験したことは忘れないのだ。どれだけブランクを空けても全盛期。使ったことがなくても、全盛期。使えば起きることは決まっている。


職業については、説明書にも書いてあって、とても楽しみにしていた。

主人公の説明が、漁師の息子から変わらないのを、とても、じれったく思っていた。こいつはいつ転職できるんだ、と。そういうおれも転職いつするんだろう。ノマドワーカーの遊び人に転職したい。残念、現実にはダーマ神は存在しないんだ。

ついでに、命名神マリアンもいない。名前のバグとか存在しない。


転職できるようになったときは、とても興奮した。子供は無邪気である。そして、攻撃が好きだ。

戦士と武闘家、魔法使い。

攻める気マンマン。

いつでもガンガンいこうぜである。


そして、すぐ詰まった。

ダーマ神殿というマップがあるのだが、そこのイベントで詰まった。

盗賊達と戦うイベントがあるのだが、何度やっても勝てない。

なぜなのか、とても悩んだ。

答えはシンプルだ。

回復しないからである。

殴り倒される前に殴り倒すという、ファイト精神が戦術を支配していた。


あまりに負けたので、みんな僧侶に転職した。

叩かれまくって、慈悲の精神に目覚めたわけではない。回復という実利のためにみんな僧侶になった。

回復をマスターすると、すぐに転職。

バトルマスターと賢者になった。

上級職を解放してようやく、盗賊を追い払うことができた。


当時の友人は言った。


やりすぎじゃね。


ああ、今ならそう思うよ。

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