生配信:極秘情報を入手したので発表しちゃいます!!
『よし、始まったな!
我らは
今夜は
『かんちゃん、自己紹介しないと誰か分からない人もいると思うんだよ』
『そ、そうだったな。まずは自己紹介をするように言われていたのだった』
≪何だ何だ?≫
≪BrilliantYearsチャンネル、略してブリャちゃん≫
≪誰に言われたのか詳しく≫
『誰に? それはもちろん、副しゃ』
『ちょ待てよ! いくらバレバレだからって言っていい事と悪い事があるよ!!』
≪さっちゃんがんばえーw≫
≪アバターがぬるぬる動いてる時点でお察しなのよwww≫
≪いえーい副社長見てるーーー???≫
『おっほん!
我は
『オレは
『ボクは
『私は
『やれやれ……。
『しぃちゃんは
『六人揃って、BrilliantYears!!』
六人がそろぞれ思い思いのポーズを取ると、背景画面に爆発の特殊効果が流れ、ドーン! という音響効果も流れた。
≪何wぞwコwレwww≫
≪さすがVividColorsの映像技術はすごいなぁ≫
≪ややこしいなwww≫
『もう良いか!?
我が極秘裏に入手したVividColorsのとんでもない情報を、この生配信で発表したいと思う!!』
≪えー何だろう≫
≪こないだの停電でも大陸中央部のデータセンターが稼働を続けてた件?≫
≪大量の資材が大陸中央部に集められてる件?≫
≪何だよそんな話聞いた事ねーぞ?≫
≪デマやデタラメは犯罪行為だぞ通報するぞ≫
『えー、と言う事でアバター表示を消して下さい。なのだっ!!』
≪素に戻るんじゃねーよwww≫
≪プロなら終始なり切れよwww≫
≪良いよゆるいよーw≫
神無月の合図に合わせ、アバター表示が消えて六人が実写で映し出された。
『こんばんはー』
『初めましてー』
『よろしくお願いしまーす』
『急に恥ずかしくなってきた』
『笑顔だよ笑顔ー』
『いえーい』
≪いや今だろ自己紹介が必要なのwww≫
≪誰が誰か分からん上にさらに誰か分からんwww≫
≪ん? 皆指輪らしきものを嵌めてるな≫
『おっ、さっそく我の左手薬指に気付いたか!?
そう、これこそが今夜の超絶怒涛の特ダネ、VividColorsが新発売を予定している電子決済用交信指輪、略してケッコン指輪だ!!』
≪VividColorsが結婚指輪を売る、だと……!?≫
≪ヤバイ、これは戦争になるぞ!!≫
≪早くURL教えろいてまうぞオラッ!!≫
『ひっ、急にコメントが物騒になったんだよ……』
『弥生、気をしっかり持つのよ』
『そう言う皐月ちゃんも声が震えてるのよ……』
『我の話を聞けぇい!! 五分、いや二分だけで良い。
良いか、このケッコン指輪で何が出来るようになるか今から説明する!
ただのアクセサリーではないからしっかりと聞くのだ!!』
≪聞くのだじゃねぇよ早く言えや!!≫
≪誰もただのアクセサリーだなんて思ってないが≫
≪いいから早く私にその結婚指輪を売りたまえいくらだ百万か二百万か色違いがあるのか全部で一千万までなら払うぞさぁさぁさぁ!!≫
『やれやれ、神無月。さっさと説明してやれ』
『文月、他人事だと思って……。
ごほんっ。
この電子決済用交信指輪は、スマートフォンと紐付ける事でクレジットカードでの支払いの際に、カードを出さずとも指輪をレジの端末へ近付けるだけで決済が出来るようになる!
しかも、紫色のケッコン指輪なら
『それだけじゃないんだぜ!
来月に行われる催し、
『事前にスマートフォンにケッコン指輪管理用アプリを入れておいて、ケッコン指輪とクルクムのアカウントを連携させる事で顔寄せ大会への入場チケット代わりになるんだよ!
しぃちゃんはもう連携させたんだよ!!』
『いずれ行われるであろう月明かりの使者のライブの入場にも、このケッコン指輪で認証が出来るようになるんだって』
『もうすでに全国の宮坂信販契約店であれば買い物は全てこのケッコン指輪でクレジット決済出来るようになってるらしいのよ』
『将来的にはこのケッコン指輪で自宅にいながら確定申告が出来るようになるかも知れないんだよ』
『バスや電車、新幹線に飛行機も、このケッコン指輪だけで乗れるようになるかもよ』
『家の鍵を付け替える事で、ケッコン指輪をかざせば鍵を自動で開ける事が出来るようになるかも知れないんだって』
『保険証や年金手帳なんかの代わりにもなるかもね』
『……おや? コメントが静かだね。
やれやれ、ケッコン指輪が凄過ぎて、反応が出来ないのかい?』
≪欲しい!!≫
≪早く販売ページのURLくれよ!!≫
≪どこで買えるのかはよっ≫
≪一人何個まで買えるの?≫
≪決済用としてのみ見ても優秀過ぎるだろ……≫
『で、では予約受付サイトを発表するぞ』
≪極秘裏に情報を入手した割にはしっかりと販促するんだねw≫
≪いいからはよしろ≫
≪そう焦るなって、VividColorsのサーバはアクセスが集中してもそうそう落ちないんだから≫
≪早く欲しい早く欲しい早く欲しい≫
『予約受付サイトのURLは、こちら!!』
神無月が指差した先にURLが貼られ、視聴者のほとんどが予約サイトへと飛んでいった。
『あれ、視聴者数が激減したよ?』
『……疲れた』
一生懸命仕切ろうとしていた神無月が、仕事を終えて椅子へとへたり込む。
『えーっと、誰も見てないかもだけど……。
以上、BrilliantYearsだったんだよー。バイバーイ』
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