投稿動画:「凄絶震撼映像ヤバすぎ!」舞台裏解説その一
どこかのマンションの一室のような場所で、三人の女性
真ん中に座っている女性が手を挙げて話し始める。
『どうもっ、視聴者の感心を鷲掴み!
続いて、画面左の女性が手を挙げる。
『どーもー、投稿拒否の問題児、
続いて、画面右の女性が手を挙げる。
『どうも、あんこは粒あんもこしあんもどっちも好き。
『はい、この動画は大変反響を頂いております「
「ヤバすぎ!」が投稿されているのと同じ「凄絶震撼映像チャンネル」に投稿されている理由は、あまりにも反響があり過ぎて、いやいや作り物ですよ!? みんな目を覚まして、そこに
そういう意味でも大好評を頂いている「ヤバすぎ!」のその撮影舞台裏をお見せしようというのがこの動画の趣旨となっております」
『普段あたし達は
『あんまりそういう事は言わない方がいいよー』
『はい、えーっと、私達がこの番組に出ているのには理由があります。
その理由とは、何と!? 私達の中の人が動画内に出演しているからでございます!!』
『そんな事言うと冷めるのでは?』
『現実に引き戻す為なんだからいいんだよー』
『では、現実に戻ってもらう為にアバターを消してもらいましょうか。
スタッフさん、お願いします!』
部屋に座っている三人の姿が、アバターから生身の人間へと変化する。
カメラに向かってそれぞれが手を振っている。
画面下には字幕でそれぞれの役名と名前が表示される。
≪
≪
≪
『どうですか、撮影時の衣装を着させてもらってます』
『金属バットは部屋の隅に最初から置いてあったんだよ、ほらあそこ。
まぁ重たいから持ちたくないけど』
『カメラも割と重たかったよー。副社長に壊した事バラされちゃったしー』
『でもすでにカメラ代含めた制作費は回収出来てるらしいよ、まだ公開してからそれほど経ってないのにすごいよね』
『すでに第二弾の制作に入ってるとかいないとか。また金属バット振らにゃならんのか』
『次はもっと軽いカメラにしてほしいなー』
『視聴者の皆様は
えっ? あぁ、私達の身体をアバターに戻しますね』
三人の姿が再びアバター表示へと戻される。
『さて、アバター表示に戻ったという事で、ここで特別ゲストに来てもらいましょう。
この方です、どうぞ!』
『はーい、皆のアイドル
翔太が画面右側から現れて、玲夢と睦月の間に座る。
翔太の顔がアップで表示され、字幕で役名と名前が表示される。
≪天狗のお面四人組の一人:
『何か私の喋り方と被るからやりにくいなー』
『睦月、お前消されるぞ』
『まぁまぁはーちゃん、翔太君もむっちゃんも頑張ってキャラ作ってるんだから』
『……玲夢が一番消されそうな発言をしている』
『お姉さん達、そろそろ動画解説の方に行かない?』
『はい、すみません。
今私達がいるマンションの背景が真っ白になって、そこに舞台裏映像が流れる形になります』
マンションの部屋だった背景が消えて真っ白になった後、四人の姿が画面右下へと移動して小さく表示され、全体に別の動画が表示される。
『はい、なりましたー』
『映っているのは最後の場面の、次の日に来たら畳の下にあった階段がなくなってたってところですね。
時系列的には最後ですが、撮影順としては最初なんですよね』
『実際にある日本家屋の床下を掘って階段を作ったからね。一度掘って階段を作って、また戻すって時間が掛かるもんね。
まずは掘る前に撮影して、それから業者さんにお願いして掘って、階段を作ってもらったんだよ』
『この場面の撮影は朝七時くらいだったよねー』
『前日にゲーム配信してたから眠かった』
『前もって撮影は分かってたんだから、それははーちゃんが悪いよー』
『「ゆるクラ」で整地配信してたら止まらなくなって』
『あれ結構視聴者さんに人気あるよねー。ただ山を壊して平地にしながらはーちゃんが喋ってるだけなのに』
『そんな事言ったら私だって毎日ラジオパーソナリティしてるんだけど』
『お姉さん達ぃー?』
『はい、失礼しました。
まずはこちらの映像から。業者さんの了承を得て、床下を掘っているところを撮影させてもらいました。早回しですけど十時間くらい掛かってます』
『屋内だから重機が使えないから大変だったろうな、業者さんには無理言っちゃったね。
「ヤバすぎ!」の動画詳細に業者さんのホームページが載せてあるから、何かあればお問い合わせをお願いしますね』
『翔太さんが仰った通り、動画詳細にも載っているのですが、この舞台裏解説の動画詳細にも載せてあります』
『玲夢が握手求められてたね』
『れーちゃん滅茶苦茶痛そうにしてたねー』
『……それはまぁ、私の自業自得だから、ね』
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