キャラ絵と色分け
世界初の男性
名字は
長男、
次男、
三男、
四男、
イメージカラーは、100の質問で回答していた冠位十二階に由来する色を候補として挙げていたが、詳しく調べてみると冠位十二階という制度そのものはすぐに改定され、七色十三階冠とされた後も時代によって制度が複雑に変動し、色も変化している。
加えて、単純に上から順番に色を選んでしまうと四人全体のバランスがあまり良くない。全員が同じ絵に収まっているとして全体の色味を考えてみると、紫と赤と黄色と桜色はちょうど良い塩梅になった。
伊吹はあと二人いたら残りの色は青と緑だっただろうと思ったが、自分が六人のキャラを使い分ける事は出来ないので口には出さなかった。
「名前の由来については置いておくとして、全員呼びやすい名前だし、男性の名前として違和感もないし、いいと想う」
「元一期生や元二期生の名前みたいにゴテゴテしてないし、本当に存在しそうな名前で良いと思います」
「イラストを一つ描いてもらって、髪型と服の色で四種類に分けてもらえればそれほど負担ではないと思うんだけど」
「了解。早速取り掛かるわ。服は和装、ってか着物で良い?」
「羽織袴で、袴の色を差分にするか。
今は服装を一種類用意するので十分だけど、後々は浴衣とか着流しとか、正月には紋付き袴でご挨拶、とか出来たらいいな」
「
伊吹は藍子に家紋について問われ、答えに詰まる。そこまで考えていなかった。紋付き袴の紋は家紋の紋である。
「うーん、安藤家の家紋を勝手に使う訳にはいかないしな。
新たに作ります?」
「独自の家紋を作る、ですか。考えた事もなかったな……」
新たに作るにしても、既存のものとの被りがないかをチェックする必要がある。
「とこちゃんに丸投げ-」
急に面倒臭くなって来た伊吹は、人任せにしてソファーに寝転がる。
100の質問に答え、四人分の名前を考えた事で、伊吹の頭は機能低下中だ。
「ちょっと! だいたいこういう感じっていう取っ掛かりくらい考えてよね!
こっちはイラスト考えてんだから。ってかまだ動画の編集だって終わってないんだった!!」
「じゃああーちゃんお願いー」
「ひゃ、ひゃい!!」
そんなやり取りをしていると、夕食の時間となった。
「ねぇ、
「いえ、そういう訳には参りません」
オフィスに伊吹と藍子と燈子の三人分の夕食が運ばれて来たが、伊吹としては屋敷にいた時と同じく侍女も含めて皆で一緒に食べた方が楽しいと想っている。
「そんな事言ってもさ、藍子さんも燈子さんも四人が立って見守ってる中でご飯食べるの、居心地悪いと思うけど」
ね? と同意を求められ、頷く二人だったが、実は二人も実家では複数のお手伝いさんがおり、家事全般を自分を含めた家族がする事はない。
「ほら、二人も居心地悪いって。座って一緒に食べよーよ」
実はこの中で一番庶民派なのが伊吹だ。前世では一般家庭で育ち、それが当たり前であると思っているので、生まれ変わった今の方が違和感を覚えているまま現在に至る。
襲撃を受けた実家から逃げ延びた昨日、そして動画撮影などで頭を使って今日の疲労が蓄積し、思考力が低下して幼児化している伊吹。
「もうこの二人も身内みたいなもんでしょ?
ねぇ、あーちゃん、とこちゃん」
「そそそっ、そうです身内です!」
「……二人とも自分が何言ってんのか理解してないな、これ」
結局は伊吹の訴え通り、伊吹と藍子と燈子、そして侍女の四人を含めて七人で夕食を共にする事となった。
伊吹はいつも通りだとニコニコとご機嫌の様子だったが、藍子と燈子が気まずそうにしているのには気が付かなかった。
二人は後ほど美子から伊吹の我が儘に付き合わせて申し訳ない、との謝罪を受け、恐縮するのだった。
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