男性に聞く100の質問その3

「お二人が羨ましいです。とても多くの女性が実際に男性に会う事のない人生を送っていると思います。

 そんな世の女性の為に、四十三問目。ご自宅では普段どのような服装で過ごされているか教えて下さい」


「春と夏は甚平や作務衣、浴衣などを着たりします。もちろん洋服も着ます。Tシャツにジーンズのような楽な格好も好きです。

 秋と冬は洋服の方が暖かいのでシャツの上にトレーナーを着たり、カーディガンを羽織ったりですかね。風呂上りは半纏はんてんがあるといいですね、湯冷めしなくて」


「四十四問目。和装が多いようですが、理由を教えて頂きたいです」


「男物の洋服は数も種類も少ないうえ、それなりに高価です。どこへ出掛けるでもないので、甚平や作務衣は気楽に着れます。あと、ご近所さんが縫ったからどうぞ、と寝巻を下さったりするので、普段着よりも寝る時の服の方が多いかも知れません」


「ご近所さんと良いご関係なのですね。

 四十五問目。ご近所付き合いなどおありなんでしょうか?」


「人口の少ない村で、その分同年代の子供はほぼいませんでした。

 ですが、その分どの世代のお姉さま方とも仲良くさせてもらっています。屋敷の庭で手持ち花火をしたり、餅つきをしたり。あと、大きな七輪を使って炭火で肉を焼いて食べる、バーベキューという食べ方も楽しみの一つです」


「バーベキュー、ですか。初めて聞きましたが、どこかの国の料理名ですか?

 あ、四十六問目です」


「バーベキューは元々スペイン語だと聞いたような気がするので、スペイン語圏の料理だと思います。すみません、ちょっと自信ないですが」


「いえいえいえ! あとで調べてみます!」


『バーベキューとは、薪や炭などの弱火によって肉や野菜や魚介類などをじっくりと焼く調理法。煙でいぶす行為も含まれる。

 語源は西インド諸島の先住民であるタイノ族の肉の丸焼き用の木枠を指す言葉、バラビクがスペイン語で「丸焼き」を意味するバルバコアとなり、さらに英語圏でバーベキューと呼ばれるようになった』


「炭火で肉を焼くのでものすごい量の煙が出ます。だから暖かい季節に外でやるのがオススメです。臭いが付くのでお気に入りの服は避けた方が良いですね」


「ありがとうございます。

 えっと、先ほど寝巻のお話がありましたので、四十七問目。寝起きは良い方ですか?」


「どうでしょう、目が覚めるのは大抵僕が一番最後なので、もしかしたら寝起きが悪いのかも知れませんね」


「えっと、一番最後というのは?」


『四十八問目です』


「あぁ、彼女達が家にいる時は必ず三人一緒のベッドで寝るんですけど、彼女達より先に起きる事がないので」


「何事も隠さず教えて頂いて大変ありがたいのですが、答えたくない場合は遠慮なく仰って下さいね」


「ええ、何も無理はしていませんよ」


「では四十九問目。朝食はご飯派ですか? それともパン派?」


「あ、これは答えたくないですね。

 はい、冗談です。基本的にはご飯派ですね。味噌汁と玉子焼きと焼き魚とお漬物。朝食を摂るのは大抵朝の稽古の後なので、もりもり食べてしまいます」


「五十問目。目玉焼きには醤油派ですか? それともソース派?」


「どっちでもないですね。目玉焼きには塩コショウ一択です」


「五十一問目。あんこは粒あん派? こしあん派?」


「どっちも好きです、という回答は詰まらないですよね。でもどっちも好きです」


「五十二問目。唐揚げにレモンはかけますか?」


「かけますが、大皿にレモンをぶっ掛けるのはマナー違反だと思う派です。

 食事の場で争いを生むような行動は控え、他の人に配慮しましょう」


「五十三問目。ゆで卵は半熟派? 固茹で派?」


「あー、ゆで卵を何に添えるかで変わりますね。ってそれだと質問の答えにならないですね。固茹で派です」


「五十四問目。シャケの皮は食べますか?」


「それを残すなんてもったいない! おいしく頂きます」


「五十五問目。エビフライの尻尾は食べますか?」


「食べます」


「五十六問目。カレーはどろどろ派? シャバシャバ派?」


「どろどろ派」


「五十七問目。明日、もし地球が終わるとしたら何をしますか?」


「特別な事はせず、いつも通り過ごせたらいいですね」


「五十八問目。今の気持ちを四字熟語にすると?」


「半分突破」


「五十九問目。YourTunesは見られるとの事でしたが、その他のインターネット媒体はどうでしょうか?」


「見ますけど、ニュースや調べ事などに限られますね。掲示板を覗いた事もありますが、書き込んだ事はありません」


『【注意喚起】淑女の皆様、見られている前提での書き込みを【コメント欄も】』


「六十問目。ご自身以外の男性との交流はありますか?」


「いいえ、生まれてから会った事も話した事もないですね」


「先ほど世の男性の代弁をされているような回答があった気がするのですが。

 おっと、六十一問目です」


「あー、それについてはノーコメントで」


「ノーコメント、ですか。

 では六十二問目。侍女さん達に対して隠しておられる事はありますか?」


「うーん、難しい質問ですね。隠している事はありますが、彼女達は僕がどんな隠し事をしているかある程度勘付いている、かも知れません」


「それは非常に気になる回答ですね。しかしお三人さんには確かな絆があると感じます。

 六十三問目。反対に侍女のお二人が貴方に対して隠しているのではと感じる事はありますか?」


「特にこれと言って思い浮かびません。

 もし僕に対して隠している事があるとすれば、それは隠す必要のある事だと思います。だから何も気にならないですね。

 おっと、この回答は正解だったようです」


『侍女さんがそれぞれ手を取って、優しく包み込むように撫でておられます』


「ゴホンッ、六十四問目。都会と田舎ならどっちに住みたいですか?」


「どっちにも住みたいけど、都会なら気軽に外を出歩けないので、住みやすいのはやはり実家のある田舎でしょうね」


「六十五問目。ご実家周辺は気軽に出歩ける、という事ですか?」


「ええ、さっき話した通り、ご近所さんはみんな顔見知りですし、生まれた時から僕達の事を見守ってくれています。みんな大好きです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る