俺のスキル

 ギルド登録を終えた奏汰は受付の女性にスキルの使い方を聞いた

どうやらスキルは思い浮かべるだけで発動するらしい

自分はスキルでどの様な事が出来るのか確認を兼ねて冒険者ギルドの地下にある訓練場の片隅を貸してもらえる事になった


(スキル霊障かぁ、前世で体験した不可思議な事を思い浮かべてみるか)


カーン、カン


 訓練場では筋肉質でがっしりとした男性と細身でスタイル抜群の黒髪をした女性が木刀で剣を交えている


「もっと素早く、もっと腰を入れて打ち込んでこい!」


汗だくになっている男性の剣をスタイルの良い女性が軽く受け流している


(女性の方が講師なのか!)

奏汰は少し驚いた様子で2人の剣術を眺めていた


「お前汗かきすぎ、水分補給も兼ねてちょっと休憩にしよう」


「はい」


スタイルの良い女性が男性に休憩を促した


「そこのお前、私等休憩に入るから訓練場好きに使って良いぞ」


「ありがとうございます!」


奏汰は1人訓練場の真ん中に立ち今まで自分に起こった心霊体験を1つづつ思い出してみる事にした

奏汰の様子をスタイルの良い女性と筋肉質の男性が訓練場の片隅で座りながら見ている


(ん〜心霊現状と言ったらまずはラップ現象かな)

奏汰はラップ現象を思い浮かべる

すると、誰も動いていないのに

ザッ、ザッ

っと訓練場の砂の上を歩いている音が聞こえだす

カーン、カン


ザッ、ザッ


カーン、カン


ザッ、ザッ


誰も動いていない訓練場で木刀を交える音が響き渡る

そして1秒毎にその数が増えていく

カーン、カン カーン、カン


ザッ、ザッ  ザッ、ザッ


カーン、カン カーン、カン カーン、カン


ザッ、ザッ  ザッ、ザッ  ザッ、ザッ


10秒位経った時、奏汰の姿を見ながら休憩していた2人がガクガク震えた状態で耳を塞ぎながら叫び声をあげた

「ギャー」

「イヤァァァァア止めてー!」


叫び声に驚いた奏汰はラップ現象の事を考えるのをやめた

するとラップ音は鳴り止んだ


筋肉質の男性とスタイルの良い女性はガクガクと震え青褪めた顔で訓練場から走り去る


数分後


「何をやったんですか!?」


受付の女性が険しい表情で数人の冒険者と一緒に訓練場へ降りてきた

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