遊ぼう!
第9話
「遊ぼう!」
そんな事言ってきたのは、海だった。
「何でだよ」
そう返してしまう。
「えぇー!いいーじゃあーん!」
「分かった。分かったから引っ付かないでくれ」
「本当!?」
「あぁ、お前が離れてくるのならな」
「やったー!」
「だから引っ付くなって!」
そんなやり取りをし、クラスの奴らから睨まれた翌日。
土曜日。
「…」
「今日は存分に遊ぼー!」
「そうですね。ですが、ハメを外しすぎないように。ですよ」
「分かってるよ」
「…」
「…」
「ほら!一志君、優君!行くよ!」
「一志…。これどういう事だ」
俺が名前で呼んでくれとお願いして早速実行している二次被害者改め、優は目の前の光景に驚いていた。
あまりの驚きのあまり、表情や行動に出ていないぐらいだ。
「俺も教えて欲しいよ」
同じく二次被害者である俺も、最悪な気分で立っていた。
まだ春だが、暑かった。
暑さ耐性の無い俺は溶けそうだった。
「おい海。何するつもり何だ?」
「えっ?決めてないよ?」
「…とりあえず店に行って考えよう」
「そうだね!それが良いね」
「店って言ってもどこ行くんだ」
「喫茶店とかどうですか?」
「じゃあ、行こう」
「まさかのノープランとは…」
「まぁ、いつもの事じゃん」
「そうだな」
「その言い方だと何度も遊んだ言い方だけど、一志と海は仲良いのか?」
「まぁな。中学までは金が尽きるまで遊んでたな」
「…」
「…」
ローズと優が黙ってしまう。
そうか。
中学校で親が亡くなった事を知っているから、気まづくなってしまったのだろうか。
気にするな。
そう言おうと思ったら…。
「…2人は付き合ってないのですか?」
「えっ?」
あまりにも予想通りじゃ無さすぎる質問に、
とても驚いてしまった。
「付き合ってないよ」
「付き合ってないぞ」
「…」
「…」
「何かあんのか?」
「いや、俺は応援してるよ」
「何をだよ」
聞いているのに答えようとしてくれない。
「私、2人のお邪魔になるようなら帰りましょうか?」
「俺もそうしようかな」
「何で!」
「そうだよ。わざわざ休みを削って来た俺がバカみたいだ」
「どうする?どこ行く?」
「皆どこか行きたい場所あるー?」
「人任せかよ」
「なら、私が行った事の無い所が良いです」
「どこ行った事ある?」
「いや、これが初めてですかね。雇っている人がいない状態の外出ですかね」
「「「…」」」
その場にいる全員が驚愕した。
ローズは貴族みたいなのだろう。
弁当の時も1つ1つの具材が何万円するんだ?
と問いたくなる程の豪華であった。
普段の弁当も姿勢も食べ方も綺麗であった。
給食何か、とても驚いた顔しながら食べていた。
多分、家でもそうなのだろう。
下手したら、許嫁とかいそうなぐらいだ。
遊びに行くのも禁止され、
行けたとしても、何かしら守る人がいるみたいな感じだ。
そんなローズをどこに連れて行こう。
そう考えた時、出てきたのは
「ゲームセンター?」
「そう、遊ぶ所だよ」
「ここなら、1日いられるしな」
「俺も初めてだ…」
「あ、そうか」
「ん?なになに?」
「…。海。俺は昔から思っていたが、人の心に泥塗れの靴でズカズカと入って行くよな」
「え?そうなの?」
「そうだわ。とてつもなく配慮が足りない」
「酷いー!」
「はいはい」
そんな話はさておき、いざゲーム!
「これはなんですか?」
「クレーンゲームだよ!この中にある景品をこの爪みたいなやつで取るんだよ!」
「なるほど…」
「やってみるから見ててね!」
そして海は器用に景品を取ってローズに見せた。
「凄いですね…!」
「でしょー!」
「私も…」
「あっ!コツ教えて上げるよ」
「どうする優?女子達はお楽しみになっているぞ」
「なら俺達もやろう」
「俺、あっち行くから」
「おっ、丁度俺も行く所だったんだ」
「…」
「…」
俺達は手を取り合い分かりあった。
そこに言葉に無くても、俺達はその行為の意味を分かっていた。
俺達は音ゲーコーナーへ向かって行った。
優は洗濯機みたいな所へ俺はATMみたいな所へ行った。
「よし、今日はFC目指すぞ」
「何しているんですか?」
「うわ!」
「そんな驚く事ないでしょう」
「まぁ、な」
「で、何をしているのですか?」
「音ゲーって言って流れてくる譜面っていう…あれなんて言えばいいだろう?とりあえず見せるよ」
「はい」
俺は好きな楽曲を選び難しさを一番難しいのにする。
さて、集中!
「AP…」
まさかのAPしてしまった。
「AP…?」
「オールパーフェクト。完璧って事だよ」
「…これを勉強に活かせたら良いですね」
「ぐほぉ!」
お前…!全ゲーマーに謝れ!
いや、頭良いゲーマーもいるかもしれないけど!
とにかく謝れ!
「やってみるか?」
「まぁ」
「んじゃ、やり方なんだけど」
(ここから言ってしまったら著作権だかに引っかかってしまうので省略)
「やってみてくれ」
「分かりました」
「お前…音ゲーマーの才能あるな」
「ありがとうございます」
「まさか最初にしてAPしてしまったのか」
「そうですね」
「マジかよ…」
とりあえず俺は他の音ゲーに手を出そうかと思ったら、
「私も行きます」
と付いてきた。
俺は周りに海がいない事に酷く悲しんだ。
「何で嫌そうなんですか?」
「いや」
お前はよく人の顔見るなー。
そんな事を思いながら、電子ドラムの形をした音ゲーの所にきた。
「これは…」
「ドラムだよ。横にギターもあるから一緒に出来るけど演る?」
ちなみに俺はドラムしか演れない
「いいですよ」
そして俺は楽曲を選ぶ。
初心者でも出来てローズにも分かるやつ。
「あった」
俺は(楽曲名)を選び難しさをNormalにする。
俺はNormalしかできない。
だよな!作者!
作者:最近行ってないから分からなーい!
おっけ!
早速演る。
「何とかクリアしたな」
「えぇ」
俺達は程よい汗をかいて終わった。
夕方
「楽しかったな」
「そうね」
「「…」」
「優君…あの2人…」
「いや、まさか…」
「どうしたんだ?」
「「何でもないよ」」
「?そうか」
誤解されている事を俺が知る事は無かった…。
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