付き合ってないの?ないよ。
第5話
そうして戻ってきた俺達に最初に話しかけてきたのは海だった。
「2人とも!どうなったの!?」
と俺達の関係を心配してきた。
全く失礼なやつだ。
だが、今は何故かそれが心地よくて、笑ってしまった。
「ちょっと〜。何笑ってるの?」
「ごめん。何かおかしくてな。大丈夫。ただの友達になっただけだから」
「…お友達から始めてください的な?」
「お前は何を言ってるんだ」
「いや、ローズちゃんに惚れて告白したのかと」
「そんな事無いだろ」
「分からないよ。まだこれからかもしれない」
「何でお前はそう繋げたがるんだ」
「え?珍しいから」
「何がだよ」
「一志君がそんなに笑ってるの」
「まぁ、俺と似た境遇のやつがいたからな」
そう言って俺はアイツ─。ローズを見た。
「そうですね。本音を吐きあった仲ですもんね」
「誤解を生む発言はよしてくれ」
「すみません」
「…ごめん。やっぱり2人共付き合ってるようにしか見えない」
「だから何回言えば分かるんだよ」
「…そう、だよね」
「?」
「一志君が、モテるわけ…無いよね」
「おい」
「何?」
「何だその哀れみの目は!?」
「いいんだよ。無理しなくて」
「やめろ!」
「それとも何?付き合ってますよ。とでも言いたいの?」
「…!あぁ、もうそれでいいよ!」
「へへへー」
俺は生涯海に勝てない。
そう思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます