うるせぇクラスメイトだな
第3話
俺は教室に戻り、席についた。
すると、クラスの誰かが話しかけてきた。
「おい!お前!」
「お前…?」
「!?…君。ローズさんと何も無かっただろうな」
「逆に何があるってんだ」
「そうか…何も無かったのか」
「ほら、そうと知ったなら早く席に座れ」
「あ、あぁ」
はぁ…。疲れる。
アイツのせいだ。アイツのせいで…!
俺の…平和な…!傷つかない日々が…!
「おい」
そう思っている所に体のゴツイやつが来た。
さっきからうるさいな
そう思いながら俺は冷静に対処する。
「お前。俺たちのローズさんに手ェ出してねぇよなぁ?どうなんだぁ?」
言い方にイラついたが、深呼吸して言う
「出してねぇよ」
「そうだよな!思えみたいなキチンが!」
辺りが笑いに包まれる。
「まぁ、お前が例え何かしてたとしても、俺の物になってたけどな!」
周りがいや!俺のだ!とか言っていた。
もう、限界だった。
そいつは地面に倒れていた。
「クハっ!」
咳き込んで息をする前に俺は襟を掴んだ。
「テメェ…。人をモノ扱いするんじゃねぇよ…!お前がそう言っている時、アイツが!どんな想いするのか知らねぇ癖に!」
「ヒィッ!」
もうそいつの目は恐怖に満ち溢れていた。
俺は舌打ちをして床に投げた。
丁度そこにアイツ達が来た。
「ちょっと!どういう事!?」
俺は、ドアの方向に向かい、
アイツにすれ違いさまに呟いた。
「!?」
俺はアイツに突き飛ばされていた。
「何でそんなに嫌われる様な事しか言わないんですか!?」
そう言われた俺の顔は──。
ローズ視点
何か騒がしいと思い、私は急いで教室に帰った。
そしたら、ガタイのいい人が倒れていた。
どうやら一志君がやったみたいだった。
そうすると、一志君はこっちの方へと向かってきた。
そしてすれ違いさまに言われたのは
「俺が全部やったんだ」
それを聞いて、イラついて突き飛ばしてしまった。
でも、それでも良かった。
それ程に彼は嫌われようとしていたのだった。
「何でそんなに嫌われる様な事しか言わないんですか!?」
そう聞いた。
そして、初めてまともに顔を見て、
あぁ、間違ってしまった。
そう思った。
何故なら彼の顔が苦しんで見えたからだ。
「…ごめん」
謝ったのは彼だった。
違う。謝るのは私の方だ。
彼は、好きで嫌われようとしているんじゃない。
彼は何かがある。
それを知る権利は私にあるのだろうか。
そう思っていると、彼は歩いて教室を出ていった。
「待ってください!」
そんな事を聞かずに言ってしまった。
走って追いつけばいい。
そう思っているのに。
足が動かない。
彼に付いて行ってしまったら、ダメな気がして。
私は、クラスに1人だけでいるような感覚になった。
周りに人はいるのに。
誰かの口は動いているのに。
それが、私には届かなかった。
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