第2話 ルシフェルとベル爺
記憶を思い出して、明日に備えて寝ようとしたが寝れなかった。
目が冴えて寝れそうにない……
現状……俺のレベルは【1】でしかない。
王都の屋敷に幽閉されていて外に出れなかったからだ…
だが、公爵夫人に目障りだと言われ、領地に移されたのだ。
世間的には俺は病弱でベッドからも起き上がれない程、深刻な病だと思われている。
父とは三回しか会ったことがな。
前世の記憶を思い出す迄は、父に認められたいと思っていたが・・・
今は…どうでもいい。
何をするにもレベルを上げないと先には進めないな…
俺が持つ能力は鑑定とスキルコピーこの二つだ!
俺のステータスは……
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【名前】ルシフェル・フォン・ドラグニア
【種族】人族
【性別】男
【身分】公爵家・次男
【年齢】15
【レベル】1
【スタミナ】F
【魔力】F
【ライフ】150/150
【体調】健康
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【スキル】
なし
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【特殊スキル】
鑑定
スキルコピー
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早く鍛えないとな……
今後の事をベル爺に相談したいな……
夜分に悪いがベル爺を呼ぶか
俺はマジックアイテムの鈴を鳴らした。
本来なら控えのメイドが居るのだろう…だが俺の世話をしてくれる人はベル爺のみ
鈴を鳴らして僅か数秒で
ルシフェルさま。失礼しますと初老の男性が部屋へ入って来た。
「ベル爺。夜分にすまない」
「いえいえ、ルシフェルさま。まだ頭が痛みますか?」
「もう痛みはないから大丈夫だよ」
「それはそれは…ようございました」
ベル爺は笑顔でルシフェルを見つめる。その顔は孫を見守る優しい目をしていた。
「ベル爺、ボクは…いや俺はこの屋敷を出ようと思う」
そのルシフェルの言葉にベル爺の顔が険しくなり
「ルシフェルさま…」
ルシフェルはベル爺の言葉を遮り
「ベル爺の言いたい事は分かっている。今まで一人でよく俺を支えてくれた、感謝している」
「もったいなきお言葉……」
そう言いベル爺は…しばらく涙を流すのだった。
(ベル爺の家は公爵家の傍流の家で代々公爵家の執事を務めている、だから父親もベル爺だけは追い出せなかった)
「ベル爺、実は……俺は隠している力があるんだ。この力がエリーナ公爵夫人にバレていたら、俺は殺されていたと思う」
(息子命の糞女の事だ…俺のスキルを知れば排除されていただろう。この世界でスキルを持つ者は少ない、魔法もスキル適正がないと魔力が有っても使えない。)
「ルシフェルさま…隠していたお力とは?」
ベルゼブルがルシフェルの瞳を見つめる。
「俺にはスキルがある…それも普通のスキルじゃない、特殊スキルを二つ持っている。鑑定とスキルコピーだぁ!」
ベルゼブルが驚きの表情で固まっている。
(驚くのは分かる。この二つのスキルは伝承で伝わっている……かつて大陸を統一した勇者が持っていたと言われているスキルなのだから……)
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