ヤマタノオロチ、ぶった斬ってやるよ

 ヤマタノオロチ退治を引き受けたはいいが、さてどうするか。こいつらの言うとおりなら、かなりのでかぶつだ。まともに戦うのは得策じゃない。何か罠が必要だ。



 ひとまず、クシナダヒメを安全な場所に避難させるか。俺のそばなら安全だ。俺はあっという間に妻をくしに変えて自分の髪にさす。これでよし。



 さて問題のヤマタノオロチ退治の対策だ。そいつもしょせん、生き物だ。酒を見れば飲むに違いない。



「おい、お前たちは濃い酒を作れ。そして、八つの門を設けろ。お前らのいう怪物、俺が倒してやるからよ」


「かしこまりました。仰せのとおりに」




 問題の時間になった。話が本当なら、もうそろそろ化け物がやってくる。来ないのが一番だけどな。あ、なんかでかいの来たわ。やっべ、かなりでかいじゃん。だが、俺には策略がある。さあ、化け物よ酒を飲むがいい!



 あれ、こいつ酔ってなくね? 体が大きいから、もしかして酒の量足りなかったんじゃね? これ絶体絶命だろ。と思ったら寝やがったわ。心臓に悪いわ!



 あとはそっと近づいて切りまくって終わり。俺、天才じゃん。それにしても、八つの頭に八つのしっぽ。数多すぎてめんどいわ。一本、二本、三本。



 ガリッ!



 なんか嫌な落としたんだけど。おいこの剣、刃こぼれしてやがる! なんでだ? きっとこいつのしっぽに原因があるんだろう。切り裂いてみるか。



 おいおい、なんかすげえ剣が出てきたんだけど。化け物退治で娘はもらえるし、立派な剣も手に入った。すげえ運がいい! でも、でかぶつ倒したし、こんなの持ってる必要ない。どうするかなぁ。



 あ、そうだ。アマテラスの名前を出して娘を妻にできたんだ、手土産にこいつを持ってけばいい。これであいつも俺のことを見直すに違いない。



 そういえば、この前会った時に天上への出入禁止されたんだったわ。まあ、この剣があれば、大丈夫っしょ。

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